こんにちは、国際M&A会計士の澤村です。


去年くらいに、シンガポールの虎を、タイの象が狙っているという東南アジアでのビール市場争奪戦の話を書きましたが、今回はその後日談


TOB合戦としては、タイガービールを抱えていたF&Nの株式取得をタイのチャーンビールを抱えるTCCグループが取得することに成功したものの、肝心のタイガービールはF&Nとの合弁先であったハイネケングループが取得したという結論になっていたので、これじゃあクラウンジュエルを取られた格好だなと思っていたのですが、先日こんなニュースが出ていました。


タイのオイシが、マレーシアでの緑茶事業開始


http://www.newsclip.be/article/2013/06/05/17836.html



タイに行かれたことのある方は、


コンビニで緑茶が売っていたので買ったら砂糖入りだったorz


という経験をされた方も多いかと思いますが、タイの緑茶市場を押さえているのがオイシという会社


名前は日本語のおいしいから来ていて、やくざ+茶でチャクザとかいう奇妙な名前のブランドでドリンクを出したり、ワンピースのキャラを使った飲料を出したりしている会社で日系の会社かとおもわれるかもしれませんが、れっきとしたタイの会社です。


で、このオイシがマレーシアに進出するのがなぜタイガービールの後日譚になるかというと


このオイシという会社、チャーンビールと同じくTCCグループなんですね


で、TCCが買収したF&Nの流通網を使って、マレーシア市場に進出というのがこのニュースのポイントです。


つまり、ビールという分野は取れなかったけど、F&Nは清涼飲料の分野も持っていて、そっちではしっかりシナジー効果の追求に成功したというニュースなのです。


しかも、このオイシという会社、タイの企業家が一代で築いた会社を、TCCがM&Aで取得したという経緯があるので、いわば、F&Nはオイシという会社のM&Aに対するアドオン成長戦略といえるわけですね。



ちなみに砂糖入りのお茶

最初はうげーと思ってましたが、慣れてくると、タイの炎天下で汗をかいた後だと結構おいしく感じたりしますよ。


砂糖入り緑茶と氷入りビールに慣れたら、あなたももう東南アジア通です!


大変ご無沙汰しております。国際M&A会計士の澤村です。


2か月以上このブログ放置しており、申し訳ありませんでした <(_ _)>


いろいろとございまして、結構バタバタしておりました。


え?仕事先は変わってませんし、家庭も円満ですよ(^-^)



ところで、唐突ですが、来週から一般向けセミナーの講師をやります。


テーマは、海外M&Aに関してでして、中国・東南アジアを中心としたお話をする予定です。


やっぱ、こういうアウトプットって大切ですよね、自らの経験を軸にしつつも、体系的に学びなおすいい機会になります。


各国の会社法とか、税制とか、M&A手続きとかいろいろと比較とかしているのですが、各国の差って、いろいろと面白いですね。たとえば、インドネシアだと単なる株式譲渡なのに労働者通知とか債権者保護手続きがひつようだったりと非常にユニークです。


会計監査の有無についても各国再確認したのですが、外資系企業はマストだったり、最初からすべての株式会社でマストだったりと、日本以上に必要とされている国が多いんですよね。


国際税務の話なんか取り上げると、専門家としては非常に興味深いんですが、あくまで一般の方向けのセミナーなんで深入りはしてません。


東京、大阪、名古屋、福岡と回る予定です。



あくまで、このブログは個人的なものという位置づけなんで、案内ページへのリンクは敢えて張りませんが、ご興味のある方は是非! 無料です。



こんにちは、M&A会計士の澤村です。


あのオリンパス事件で、粉飾の隠れ蓑に使われたば評価書を作成した公認会計士に対する処分が


ひっそりと公表されてましたね


http://www.fsa.go.jp/news/24/sonota/20130322-2.html


処分内容としては、


業務停止3か月


事件の衝撃と比べると世間一般ではアンバランスな印象を持たれるとは思いますが、


レポート内容の限定事項とか見ると、なんだか専門家としてのギリギリの良心との葛藤みたいな部分も


見られるため、企業評価を専門にしている人間としてはなんとも複雑なものを感じます。



たしかに、あの事業計画をみれば、「さすがにねーでしょ!」って突っ込みを入れたくなる内容ですが、


なんどもこのブログで書いているとおり、DCFのバリュエーションにおいて、


評価者は対象事業の将来損益を予想するものでもコミットするものでもない


という限界にどう対応したらよいのかという難しい問題があります。


もちろん、ただ、単にガラガラポンで、計算結果だけを示すのなら、エクセルにさせればいいだけの話なので、財務の専門家たる公認会計士が評価する以上は、専門家としての見解に期待を受けているわけですから、その期待を裏切るような行為は専門家としての権威を失墜させるものとして、今回のような処分は妥当なものだとは思います。


とはいっても、会計士がよく言い訳に使う「期待ギャップ」というものも存在するわけで、その対応は悩ましいところだと思います。



IFRSの公正価値の考え方などを見ると、M&Aの世界のみならず、通常の会計の世界でもこのDCFに向き合う必要が増えてくると思いますが、実際の監査対応という場面で、


「こんな事業計画は実現可能性ない!」


と会計士が言い切るには、非常に悩むことになるのだろうなと思います。