せっかく誕生日を迎えたのですから、なにかひとつ変わらなければと思い切って歯医者に行ってきました。何年振りかしら…。虫歯だけは勝手に治らないから早く行け、口は脳に近いから菌が脳まで達して死ぬこともあるぞと、脅されてもなかなか行き気が起こらなかったので今回は清水の大舞台どころかナイアガラの滝壺に飛び込むような決意です。だって、痛いことは怖いもの。


まずは、初めて行った病院の新しさ、おしゃれさに驚愕しました。通院している都立病院にはない明るさと清潔さです。受付のお姉さんももちろん美人! ただし、あたしはこれから始まるであろう阿鼻叫喚地獄絵図を想像し、脇汗をだらだらとかいていました。カルテを書き込む指も震えます。何年分ものツケをこれから清算しなければならないのです。どんな地獄の責苦が待っているのか分かりませんもの。


名前を呼ばれ、診察室に向かうとまたもや美人がお出迎え。クールビューティな女医さんです。とにかく長い間治療していないことを伝え、詰め物がとれていたり、虫歯のところはすべて治したいと相談しました。とりあえず見てみましょうと、口を開けると「カメラ取りますね」と一言。カメラ?


一度起き上がって、上を見ると…。オーマイガッ!


頭の上にあるモニターに、黒ずんだあたしの歯がいくつも映し出されていました。いままで、気づいていなかったのですが上の奥にも大きな虫歯があるとのこと。「おまえの恥ずかしい部分を自分で見るんだ」という、恥辱プレイのようです。ヒィ、ごめんなさい。


とりあえず、いちばん状況の悪い歯から治すことに。最近は削る前にまず、麻酔なんですね。麻酔を打つ前にも塗る麻酔。なるほど、これなら痛くないはずです。麻酔が効くまでに、歯のレントゲン。なんだか未来的な機械があたしの顔の周りをぐるりと回りました。ほぉ、なんとも未来的ですねぇ。


そして始まった、ドリルプレイ。ぎゅういん、ぎゅいんと盛り進めます。


あたくし、緊張と恐怖につま先がのけ反っています。おぉ、どんどん攻めるのね、大胆ね。


きゅぅいん、ぎゅいん。なかなか止めないんですね、


きゅるるん、きゅるん。麻酔をしているとはいえ、たまに痛い。


手の甲をつねりながら、なんとか正気を保ちます。ぎゅるん、ぎゅる。


結果、ほぼ紙一重で神経近くまで達しているとのこと。このまま神経を残したら、麻酔が切れた後にものすごい痛いかもしれないだと。「さぁ、どうする」との急なアンサータイム。思いのほか速い展開に、あたしの頭はパニック。涙目で先生を見つめるしかありません。先生は再度「さぁ、どうする?」。見つめていても答えは出してくれそうになかったので「神経…抜いてください」とファイナルアンサー。あたし歯痛とか経験したことないもん、寝れないぐらい痛いとか絶対無理だもの。それにしても、神経抜くとか想像してなかったよ。


治療が終わって待合室で会計を待ってたんだけど、それでも全身の震えが止まらなかったからね。いやもう、ホントに衝撃的な展開。あの人、初対面なのにあたしの神経持ち去っちゃったよ。ここまで来ると恥辱プレイからのレイプだね。神経だけじゃなく、いろいろ奪われた気がするわ。これがあと何回続くんだろ…(白目)。


もうひとつの驚きは、あたくしの上あごには親知らずが存在しなかったこと。あははは、肉体的にも子供のままなんだなぁ。



【とりあえず、これが命綱】