ダラクダラクダ・11話 心に栄養を頂かないわけにはいかない!
なんとなく生きている。なんとなく生きていても、僕は死なない。死なない限り生きている。この世の誰かと同じように生きている。
この数週間、何があったろう?何があったかも覚えていない。僕は数週間、生きていて、明日も生きている事だろう。
ここ数週間、ダラクダラクダさんはお休みしていてやってきていない。
代わりにリョウシンジャーがたまにやってくる。
ぴんぽーーーん!
「やあ、僕だよ!のぶき君。リョウシンジャーだよ!」
「どうしたんだい?こんな真夜中に?うちに来て」
「最近、ロンドンオリンピックばかり見ててね。ついつい夜になってしまうんだよ」
「リョウシンジャーがそんな不規則な生活をしていていいのかい?」
「ちっがーーーーーーう!ロンドンオリンピック!あの、一つのメダルを目指したアスリート達の闘い!あの!素晴らしさ!観ないわけにはいかないだろう!そうやって!心に栄養を頂かないわけにはいかないだろう!」
「じゃあ、リョウシンジャーもやる気がなくなっちゃうこともあるんだ」
「そりゃそうだよ。人生やってらんない事もたくさんあるもんだよ。でもね。リョウシンジャーとあるが故に、そこをダラダラした生活をして送るわけにはいかないんだよ。わかる?大変なんだよ」
「そうなんだ。やめちゃえばいいじゃん」
「とぅ!そうわいかない!そうはいかないぞ。そんな事を言っていると、奴が、奴がぁ、奴がぁああ、やってきてしまう!」
だ、だ、だだだだだだだださ、ださい、ださい、ださくさ、くさ、くさくさ、ちょうーくさい、だ、だ、だ、だ、だらくのだらくのらくださん。だ、だら、くだ、くだ、くだらない、らくだの、にゅー、にゅー、にゅー、わ、わ、わ、わわわわ、ワンダーらぁーーーーーんど
「俺を呼んだかい?」
「出たな!ダラクダラクダ!」
「そうだよ、出たよ」
「のぶき君は、最近やる気を見せて、君を追い返していたんだ!」
僕は、そんなやる気を見せた覚えはない。
「ちっげーよ!ただよ。最近くそ暑ちーじゃん。だからよ。ちょっと涼しい世界で涼んでいたわけよ」
僕が言う前に、ラクダが反論する。
「す、すずしい世界!それは!どんな世界なんだ!ラクダ!夏は暑いものだろ!」
「パチンコだよ。パチンコ。打ってたの!」
「な、なんだとぉ!あれこそ!あんな場所こそ!ダメ人間の溜り場だ!」
「ふわぁああああああ、お、おまえ!そんな事言っていいのか!世の中の、パチンコファンの皆さんを敵に回したな、リョウシンジャー!」
「そうだ!わたくしリョウシンジャーは、パチ野郎を認めない!あんな金を吸い込む装置!リョウシン的にNGだ!」
「ふぅうううん、そんな事言って、どうなっても知らねぇぜ。全国のパチファン、パチンコ業界の皆さんから葬り去られるぜ」
「でも!のぶき君は、パチンコはやらない!」
「そうだよ!だから、こいつの所には最近来なかったの!」
「つまり!のぶき君はダラクダラクダ!きさまはもうこの場に来る必要はないという事だよ。よかったな。のぶき君。これで君も、もう堕落の悪魔に取り付かれる事はない」
「でも、リョウシンジャー、パチンコやる人がダメ人間っていうのは、どうかと思うよ」
と、僕は言う。
「ぬおおおお、何だと!僕は、のぶき君!君の味方をしていたのに!その、ダメラクダの肩を持つのか!」
「いや、ラクダじゃなくて、パチンコやる人のだけど」
「いいさ、いいさ、好きにすればいいさ。もう!君とは絶交だ。うぇーーーん」
そう言って、泣いたふりをしながら、リョウシンジャーは真夜中の僕の家を出て行った。
「あ、どうも、ラクダさん、おひさしぶりです」と、ラクダに僕は挨拶をする。
「やあ、まあ適当に行こうや」
そう挨拶を返して、ラクダさんはまた僕の家でゴロゴロし始めた。
「いやあ、しかし、オリンピック、楽しいよね」と言って、ラクダはテレビを観ている。
ラクダもオリンピックに心の栄養を貰っているのだろうか?しかしこのラクダはどこまでいってもダメな堕落の悪魔のはず?堕落していても、心は生きる?
僕はラクダと共に、この夏を適当に過ごす。
人生頑張ってばかりも要られない。
(先行き不明ですが、つづけます:作者の一言)