新世界53-無職の暇人 13 | 小説と未来

新世界53-無職の暇人 13

何気ない毎日の先へと進んでゆきたい。


この先どう生活せてゆくか、無職の僕は考えなくてはならない。



公園で浮浪者のように過ごしていると、僕は本当に帰る家を無くしてしまったような気分にさせられる。


でもそれは錯覚だ。僕には帰る家がある(小さいながらも)。


僕はまだ違う。まだ違うが…。


そう、僕は生活の場を完全に失う前に、仕事に就かなければならない。


そして生活し、毎日平穏無事な日々を送る必要がある。


こんな場所で日向ぼっこをしている暇はない。


公園は仕事のある人間がたまの休日に安らぐために使う場所だ。僕のようなでたらめな無職の男が占拠してしまってはならない。



「力を抜いてえ」

目の前には、“力を抜いて”星人が立っていた。ウルトラマンのたしかダダとかいう怪人に似ている。


「『何々しなくては、何々する必要が、何々しては』なんていうの止めようよ」

と、ダダに似た“力を抜いて”星人は言う。


「君はどこからやってきたんだい?」と、僕は尋ねる。


“力を抜いて”星人は強い西日の方を指差して、「あの太陽の向こうさ!」と力一杯答える。


「君は幸せだね。毎日の生活の事とか、お金の事を考えなくても生きていけるだろう?」


「そりゃあまあ、そうなんだけどさあ」と言って、“力を抜いて”星人は苦笑いを浮かべ、頭の後ろをぽりぽり掻いた。


「僕には明日、明後日の生活に不安を感じて生きているんだよ。君のように気楽な事を言ってられないよ」

僕はそう言って、大きな溜息をつく。


「でもさあ、何とかなるさー!!!!」


と、“力を抜いて”星人は精一杯叫ぶ。


そして拳を天に振り上げて、よくわからないガッツポーズをしてみせる。


「さあ、何とかなるような、気がしてきたろ!?わっはっはっは」

と、自分勝手言って、“力を抜いて”星人は僕の前から去っていった。



そうだな、何とかなる。

何とかしなくても、何とでもなるさ。



僕は不思議と何とかなる気がしてきた。根拠のない自信が生まれ、僕は楽しい気分になってきた。



2012年12月が訪れている。


2013年3月まではまだ余裕があるはずだ。僕のお金はそこまでもつのだから、きっとどうにかなるさ。という気分にさせられた。