新世界18-夢世界 6 | 小説と未来

新世界18-夢世界 6

2020年冬、曇り空に暗闇、0.5階の部屋に光が注ぐ事はない。


僕は異常なまでにやる気がなかった。冬の寒さのせいだろうか?はたまた精神的な疲れだろうか?僕は出社拒否をする社員のように家の外に出る気はしない。それでも僕の行く場所はゴミの山だし、行かなくても誰から電話が掛かってくるわけではないからいいのだが…・


地表の窓からは薄暗い明かりが覗く。


雨が降り出したようだ。窓が濡れて、地表を叩く音が地下0.5階の我が家に響き出す。


少し高い地上の窓に小さな影がある。

幼い少年が座っている。

降りだした雨に、雨宿りを始めたのだろう。

パンツの見えるミニスカの女の子なら覗きたいところだが、少年には興味がない。


光のない部屋の中は外から見ることができない。

だから少年は僕の存在には気づかない。

光のない昼は僕を眠くする。

だから僕はそのまま眠りに就いた。


どれだけ時が経ったろう。

なんとなく心地よい夢を見て、目が覚めた。

疲れはほんの少し取れていた。


窓の外にいまだ明かりはあった。

ねじ巻き時計の針は3時5分で止まっていた。

きっと今は午後3時5分から5時半の間くらいだ。


少年の姿が未だにあった。

僕が眠りに就いたのは午前中の事だった。

いつまで少年はそんな寒い場所にいるのだろう。


僕は少年の事が少し気になった。

きっと気温は10℃ない。そんな中で少年は何時間も雨宿りをしている。

ひょっとしたら一度どこかに行って、再び戻ってきたのかもしれないが、僕の見る限り少年はずっとそこにいた。いつまでもいつまでも少年はずっとそこにいたように思える。


〈つづく〉