新世界4-無職の暇人 1
2012年秋、その日も僕は欠け者だった。
柿の実を握り締めて秋の町を歩いていた。
青色のクマに逢いたくて、僕は石畳の町を歩いていた。
この町の噂で青色のクマに逢えたら幸せになれる。
それがこの町の少女たちの間に広まった噂だ。
僕は少女じゃなく、34歳のおっさんだが、その噂を信じてみたい。
青色のクマはどこかにいる。
秋の日差しの届かない影に隠れて、クマは木の実を探し求めて歩いている。
青色のクマ、青色のクマ、赤い夕陽が苦手な青色のクマ
そんなクマを僕は探している。