ずっと西にある島 41.待訪 | 小説と未来

ずっと西にある島 41.待訪

キウらは翌朝の光眩い広場の中心にいた。


ケイチョウの姿はもう見られなかった。

彼女は森の奥にある宮殿に戻り、また同じ毎日を繰り返している事だろう。


「キウ、君はこれからどうするつもりだ?」

ハバルヒラがキウに尋ねる。


「僕は、森に残ります。出来れば程よい場所に僕の居場所が欲しい。

 特に何も望みません。ただそこにいる事を許して欲しい」


キウがそう言うと、ハバルヒラは頷いた。


「ユスティスさん、すみません。一回のみの手伝いになってしまいました。

 本当なら、グァンダーの地に一度戻るべきかとは思うのですが」


「いや、いいさ。サパジには僕が伝えておこう。

 君が無事に森で暮らしていける事になった事をね。

 彼は寂しがる部分もあるだろうが、君が望み叶ったことを喜ぶと思うよ」


「ありがとう。ユスティスさん」



キウらはカルミンヌオールの大男シウルアに連れられ、再びカルミンヌオールの地の外へと出た。

一日経って、夜が来た。

キウは行きの時に休憩した湧き水のある池の傍で一夜を明かした。


その夜、キウは二人に伝えた。

「僕はここに残ろうと思う。そしてここからどうできるかを考えてみようと思う」


「君がそう思うなら、それが答えだ」

と、ハバルヒラは答えた。


眠り過ぎた翌朝、ユスティスとハバルヒラとキウは別れた。

また逢う事を約束して、それぞれはそれぞれの生活に戻っていった。

そしてキウには新しい生活が始まる。



僕はカミに逢うために森にいる。


同じ日々が繰り返されている。


僕が森の出口に到ることはない。


また今日も森の中にいる。


たまに猪に逢って、たまにたくさんの蝶が舞う光景を目にする。


僕はこの森になじんでゆく。


いく時かの日々が流れる。


ハバルヒラは時々、僕に逢いに訪れ、ユスティスとも二度再会した。


季節は暑いムフォからモクヮーナ、シパーガと過ぎ、寒いワァンフーになる。


僕は未だにカミに逢えない。


瞳を閉じて、彼女を望む。


森の中で風に揺れる木の葉の音に耳を澄ます。


君に出会った瞬間に戻れる予感を抱く。


朝冷えに震えて、目が覚める。


また同じ夢を繰り返していた事に気がつく。



森の中で、次の瞬間を待っていた。


退屈な時間を送っている。腹の減った時間を送っている。

生活は決して楽なものではない。助けてくれるものはいない。

この森は秋の森のように安全な場所ではない。明日は凍え死んでしまうかもしれない。


そんな中でも、キウは何かを感じ取れる瞬間に出会う事に待ち焦がれていた。