小さな罪 | Texas Rose Cafe

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The Little Sin/Doug Macleod

 

日本は法治国家です。罪を犯せばその大きさによって様々な罰を受けなければなりません。万引きや自転車の窃盗の場合、窃盗罪が適用され50万円以下の罰金を払わなくてはいけません。故意に人を殺めた場合、殺人罪が適用され死刑又は無期若しくは5年以上の懲役を受けなければいけません。いずれも刑法によって国が定めた罰です。

 

一方で法的に罪とは認められていない小さな罪もあります。冷蔵庫に残っていた氷菓子を妻に断りもなく食べてしまったり、休日に良かれと思って洗濯したものの干すの忘れてしまったり。このような軽微な罪で国からお裁きを受けることはありませんが、妻からはそれなりの罰を受けることがあります。「たまには美味しいディナーに連れていきなさいよ」の刑くらいならまだ良いのですが、こう暑い日が続いている時に「アイスクリーム禁止」の刑なんてくらったらたまったもんじゃありません。

 

今回お送りするのはダグ・マクラウドの『A Little Sin』より表題曲の「A Little Sin」です。昨年の夏休みに帰省した時に友達から薦められてそれなりに聴いてはいたのですが、今年の7月になってから急にヘビーローテーションで聴いています。生まれは1946年のニューヨークですが、10代の初め頃に引越し先のセントルイスでブルースに目覚め、60年代の半ばにはカントリー・ブルースを歌いはじめていたそうです。

 

ナショナルのレゾフォニック・ギターを巧みに操り、力強く語りかけるように歌うさまはまるで教職者のようでもあります。レゾネイター使いの人にとっては神のような存在なのかも知れませんが、残念ながら知名度はいまひとつ。しかしスライド好きならこの人聴き逃すわけにはいきませんよ。聴き逃したらそれは小さな罪かも。


 

 

『A Little Sin』には「The New Panama Limited」という10分を超える曲が収録されています。Panama Limitedとはニューオーリンズとシカゴの間を結んでいた寝台列車の名前で、世界恐慌の時には運行を中断したものの第二次世界大戦中に流線型の新車両で復活し、1971年まで運行していたそうです。オリジナルはブッカ・ホワイトの「Panama Limited」で世界恐慌前の1930年の録音です。ダグ・マクラウドのヴァージョンはNewがついてるのでカヴァーというよりはリメイクという感じですね。レゾフォニック・ギターとスライド・バーで寝台列車が駆け抜けるさまと汽笛の音を見事に表現しています。