ままちん。
世界一大好きなあたしの母。
おとといままちんと会った。ウグイス谷駅の駅構内で。
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家を出てからあまり会えなかった。
……というより「出てく!」と出た手前、帰りづらかった。
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段々具合が悪くなってるの、知ってた。
こわくて目をそらしてた。
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-春-
おうちの電話には必ず出ていたままちんが出なくなった。
電話まで歩くのが、辛いぐらい急に悪くなったと感じた。その通りだった。
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おととい、待ち合わせの駅の改札で会ったら、
移動速度が5ミリずつって感じだった。
必死で手を引いた。
行き先の障害物をあたしが、察知して回避しないとって真剣にサポート。
手でコロコロ押す旅行用のカート。
呼吸用の機械が入っててチューブが鼻に。デジタル数字は緑色。
なんか、とにかく笑って欲しくて、
「サポートメカと連結って、未来ロボみたいだねえ、
かっこいい」ってボケたら笑ってくれた。
喫茶店とかまで行くのは、とても無理。
駅の立ち食いそばやさんで、
ソバ食べながら二人腰かけてお話。
おいなりさんモグモグしながら、ままちんは言う。
「まこちゃん。次に普通に風邪ひいたら…まま、アウト。」
そんな状態でままちんは外出。
あたしんちの近所、浅草に来ると聞き、
実家に帰るお金もキビシイあたしは、ついでに待ち合わせ。
そんな状態でままちんが外出したのは、ままちんは朗読の先生だから。
その日、浅草で朗読の公演があった。
そのため無理してきた。
ままちんは、クリエイターの大先輩でもある。
おうちでジッとしてるより、最期まで表現し伝えたい。
それはものすごくわかる!。あたしもそうだから。
冷したぬきソバ食べながら、あたしは気持ちを伝えた。
ままちんの信じる神様をユックリこれから覚えたい。
とはいえ、ウノミにせず自分の感覚と照らし合わせながら。
…とにかく、引き継ぎたい。
ままちんの朗読のしかたを教えてもらいたい。
あたしは言葉と身振り手振りと絵を組み合わせた新しい大道芸を考えていた。
言葉で伝えるための、基本や技術を知りたい。滑舌とかね。
まずひとつ教えてもらった。
「朗読は大きく分けて2種類。ト書きのあるものないもの」
あたしはすぐにピンと来た。お話つくりたく、脚本を猛勉強中だから。
ままちんの言葉につづけ、興奮してあたしがつづける。
「その婦人は怒ってヒナンの言葉をなげた。「何を言ってるの!?」って、それを聞いた男は…ってやると冷静な第三者視点、客観視視点。フカン視点。
対し、
あの空襲の朝、目の前で妹を失った私に、何を言ってるの!?このわからずやは。
……って、やると私小説的な、一人からみた世界。
主観視点のみ……って感じ?」
「だいたいそう。」ままちんはゆっくりうなずく。
元々のオツムや、感覚は……血で引き継げてる。すごく誇らしい。
あとは、言葉で教えてもらいたい!。
もっともっと、伝える力を強くするために。
朝10時位なら10分以内で、毎日でも電話で話してくれるって約束してくれた。
途中で終わらないように、ずっと「ままちん講座」を続けてもらおう。一石二鳥!
…とにかく、引き継ぎたい。
実家の駅まで電車で送って、とうとうバスで実家まで。
迎えにきた父の車にままちんを乗せたら、肩の荷がおりた。
バスの中で、ままちんは言う。
「兄弟4人。みんなに平等に力をそそいだつもりだけど、
あんたは、おばかさんで、叱られても5分後にはケラケラ笑ってるから、一番、気になってて……へこんだままだと心残り。」
会社ズッコケてから、へこみ続け、荒れまくったあたし。
一刻も早く立ち直らねば!!。もう時間がない。……と強く思う。
会社での恩師に「孫の顔見せなきゃダメ」と言われ続けたけど、あたしにはもう無理っぽいし、そもそも間に合わない。
ならば、
せめて、立ち直ったあたしの姿勢を見せなければ。限りなく垂直に!!。
ままちんから教わる表現者のノウハウを身に着け、
楽しく、元気で、安らかな、キラキラした世界を描いてみたい。
絵とか、文章、へんてこ企画をすぐ形にするプログラム、お話作ること。
演技の力、お笑い、曲は浮かぶので音楽の入力を初音ミクで。そして…朗読。
……普通できる事が、ことごとく不器用なかわりに身に着けた、ありとあらゆるワザで。
人として、自力でご飯食べる為のお仕事。
着実に安定した上での余りの時間でやる。
もう、ままちんは助けてくれない。
(最初っからゲーム業界だったから、生きる為のしたくない仕事、軽んじてた。)
……そして、ままちんの神様を勉強することで、生きる本質を学びたい。
ワクワクする。
泣いている場合ではない。
そもそも、ままちんがいない世界って知らないので、まだ想像できないし。
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昨日は、上野でリアルから先に知り合ったピグ友の紙芝居公演日だった。
去年、彼女の上野での紙芝居見る為に、ままちんと待ち合わせ動物園まで行けた。
えにしに感謝。
ブログのコメで知らせてあったけど、直接ままちんの身体の事を告げた。
彼女は「ウチの母さんもいろいろと。……うん」
と、優しく微笑む。
ままちんの全てを引き継ぎ、表現レベルアップをしたいって伝える。
クリエイターどうしだと、ことば少なく最短で伝わる。
あたし達は、親の血と、センスを引き継いで強くなればいい。
そう、合体ロボみたいに。ガッキーン!!。
隣にはいなくて、くっつけなくなっても、
ずっと一緒に前進できるのだ。
~おわり~
○あとがき
紙芝居の応援で一通りのやりたいことがひと段落。
クリエイター系ピグ友の応援全て。
身体の調子悪いけど、やりとげたつもり。
でも、さすがに疲れた。
今日は寝て体の調子を整えよう。
……ちょっとだけ、泣いてみてもいいかもと思ったり。
おもわなかったり。
プリン食べて寝る。
小学二年くらいの風邪で学校休んだ日。
兄弟多いけど、この日だけままちんひとりじめ。
……そういえば、会社ずっこけて家に引きこもった頃。
まぶしいのに夜が明けない世界が怖くて……外に出れないように、
自慢だった長い髪を男だか女だか分からないザンギリに自分で切り、
心療内科の薬を飲む時間だけ正確に待っていた日々。
ままちんは8時には、あたしを叩き起こし、
洗濯物を干す事とゴミ出しの指示をして、
それから、
おかゆを作ってくれて一緒に食べ、
ラジオ体操をあたしと黙々と、してくれた。
もう一回、育てなおしてくれたのかな……。

