きみにしか聞こえない (2007年)
ストーリー
クラスで孤立している相原リョウ(成海璃子)は自分だけ携帯電話を
持っていないことに負い目を感じるが友達もいない自分には
鳴らない携帯電話を持つことほど虚しいと感じていた。
ある日、学校の帰り道に公園で電話の着信音が聞こえて
その音の方に吸い寄せられたリョウはおもちゃの携帯電話を拾う。
後日、そのおもちゃの携帯電話から突然着信があり
野崎シンヤ(小出恵介)という男と話しをすることになる。
話しをするうちにこの電話の声は周囲の人には聞こえず
頭の中で話していること、時差が1時間あることを知る。
実際のシンヤは耳が聞こえず喋ることができないのだが
電話では不自由なくリョウと喋れるシンヤ
自分のことに理解を示してくれるシンヤに親しみを感じるリョウ。
お互いの心の距離は次第に近づいていく…
いつものようにシンヤにコンタクトを取ろうとすると
繋がった頭の中の電話の声は見知らぬ女性の声がして
その女性は原田(片瀬那奈)と名乗り次第にリョウの相談相手となる。
リョウとシンヤは互いに惹かれ合い実際に会いたいと思うようになり…
感想
乙一原作のライトノベルの映画化作品で主題歌は同名タイトルでドリカムが担当。
シンヤが喋れないことと時差の1時間という設定を活かしたストーリーと
乙一らしい最後のサプライズは秀逸で繊細な心の機微を切なく訴えかけてきます。
この作者の登場人物は心にトラウマを抱えていたり劣等感を持っていて
誰もが持つような心情にそっと寄り添うような優しさと切なさ
ときに残酷さを表現していて心の奥の方に触れてくる作品が多いと思います。
この『きみにしか聞こえない』という作品は後の中田永一作品に共通する
爽やか路線に繋がっているようなラブストーリーで私は好きな映画でした^^
エンディングに流れるDREAMS COME TRUEの主題歌も
作品にマッチしていて感動しました。
それにしてもお互いに相手のことを想う気持ちがなんとも切ない映画でした
macoto