今日、裁判を傍聴を目的に金沢地方裁判所に出かけてきました。
本日の裁判は、2001年末に経営破たんした石川銀行(金沢市)の不正融資事件で、商法の特別背任罪に問われた元頭取高木茂被告(72)の判決公判です。
要約すると頭取の立場保身のために、不正に回収の見込みのない融資を行った。商法違反の罪の判決です。

私の趣味、仕事の一部とも言いますか?裁判所が近所と言うこともあり、たまに傍聴するのですが、この事件は北陸で大きな関心が有る事件で、傍聴席42席の抽選倍率は約三倍もの傍聴希望者が私が裁判所に到着した裁判開始30分前には並んで待っていました。
今まで、裁判傍聴は4回有るのですが最高記録です。まず抽選で傍聴券が配布されると言うこと自体が初めての経験でした。
まず、整理券が傍聴希望者に配布され、約5分後に当選者が発表されることになりました。普段は当選とは縁遠く外れるかな?と考えていたのですが、ラッキー当選です。

今まで傍聴経験から想像の出来ないくらいの緊張感が感じられる第3号法定で被告、検察官、弁護人、裁判官が入廷し、早速主文が言い渡されました。

懲役3年の実刑判決です。この被告は石川銀行の頭取だったわけですが、この石川銀行と言う銀行は同族銀行で、小さい頃から坊ちゃんとして育てられたことを十分想像できます。
被告の顔を私は約2メートルの距離を置き眺めていたのですが、判決主文が裁判長から言い渡された瞬間も同様も感じさせず、まっすぐ裁判長を見つめていました。
被告72歳になってすでに1年以上拘留され、人生晩年になって最大の屈辱を感じているはずなのに堂々とした姿は、立派な物です。歳を取っても坊ちゃんの風格は失っていない。

詳細は省きますが、でもこの人何故にここに立つことになってしまったのでしょう?
有る会社のゴルフ場の融資に付いて、実際は十五億円位の不動産価値しかないことが明白なのに、ゴルフ場経営会社から67億円の鑑定書を提出され、それを信じ57億円を融資したという事で無罪主張だったわけですが、裁判長からの判決理由を聴いているとどう考えても無理が有る主張です。

また、銀行自体の自己資本比率を維持するために増資を行ったときに、融資先の会社経営者を半ば脅かすようなことをし、自分の銀行の増資を自分の銀行から融資で約束させる事をいくつもやっていたようです。

また、融資先が金利の支払いも滞ると別会社を作り、その会社に融資したように見せかけ金利の融資も行う。

もうめちゃくちゃです。
でも何時から間違ったのでしょうね?この頭取の場合は同族経営だったこともあり、この方が頭取なる前から同じようなことをやっていたのかも知れません。それが日本の経済成長の影で解らなかっただけで、この頭取はまだ実感として解っていないのかも知れません。


人間おかしな事をやっても最初はそのおかしな事に気づくのですが、それを何年か?やっているとそのおかしさに気づかなくなってしまうようです。
これは、私も理解出来るような気がします。気をつけなければと勉強させていただきました。

特に2代目3代目と同族経営者には、この間違いを犯しがちです。何せ赤ん坊の時からおかしな事の中にいるわけですからね。老舗のお菓子屋、料亭、いろいろと問題が明るみに出てきていますが本質的には今回の頭取実刑3年の問題と同じような気がします。

もう数年速く、抜本的に対策をとりその結果石川銀行が数年速く破綻しても、現在の被害者よりは金額も数も少なく、頭取高木茂氏も人生の晩年になって監獄に入ることはなかったはずです。
このことから、いろいろな事業の実質的経営者は負けも受け入れる勇気がすごく大事だと言うことです。
私は、自営業で十数年経過しましたが、負けを受け入れ出来ない。経営者が多いと感じます。
負けたって良いじゃないですか?最終的に人生に勝てばその方が本当の勝者です。

皆さんの会社でも最近企業コンプライアンス重視が叫ばれていますが、くだらない会議(ごめんなさい大事な会議かも知れません)を削って一度、この種の裁判傍聴を一度経験されることを強くお勧めします。特に会社の重要な立場の方は十万円支払っても傍聴の価値は有りますことを私は保証いたしますよ。