先月(6月中旬)、小金井市内の2か所の公園に、それぞれ一台ずつ、最新型の自動販売機が設置されました。

我が市では、2004年(平成16年)に市施設の自動販売機を削減する方針が策定されて以来の増設であり、実に20年ぶりの新規導入になります。「自動販売機の社会的使命」について議会で取り上げるなど、これまで14年間、自販機の新規設置をひたむきに訴えてきた私としては、感慨深いものがあります。

 

2004年当時策定された自動販売機の削減に関する方針については、現在は策定当時と比較し自動販売機の省エネ機能(技術)が向上していることや、策定から既に約20年が経過していることなどから方針の見直しがおこなわれ、新しい方針が本年4月から適用されています。

 

▲栗山公園のトイレ付近に新設された自動販売機

 

▲梶野公園のトイレに隣接して新設された自動販売機

 

【注目の仕組み】

 

新たに導入された自動販売機2台については、ベンダーの取り組む「再エネ指定の非化石証書(※)」により、稼働時のCO₂排出量を実質ゼロにする仕組みが適用されるという先進的な環境配慮型の機種になっています。また、災害停電時においても飲料供給が可能な災害対応型という特徴もあります。

※非化石電源(太陽光・風力・水力・地熱・バイオマス等の再生可能エネルギー)で発電された電気の環境価値(非化石価値)分を証書化し売買可能にしたもの

 

▲この自動販売機が二酸化炭素排出量「実質ゼロ」になる仕組みについて図解説明されています。また、売上の一部が「公園等で実施する環境啓発イベント等の運営に還元される」との表示があります。

 

▲ベンダー(ダイドードリンコ)の「非化石証書」の取り組みについて説明が表示されています。

 

▲災害停電時でも飲料供給が可能とする表示。下には設置場所の住所が表示されており、土地勘の無い人でも正確な現在地を知ることができるようになっている。

 

【公明党の挑戦】

 

自動販売機に関しては、市として「削減していく方針」のあるなか、私(宮下)は2010年9月の定例会では自動販売機の社会的使命と題して一般質問を行っています。その後、2013年3月の定例会では、当時、本格的にオープンした小金井 宮地楽器ホールに社会貢献型自動販売機を設置しないかと提案し、その後(他施設からの移設にて)実現しました。そして、2014年9月の定例会では、公民館貫井南分館に自動販売機を設置してもらいたいという市民要望を紹介(こちらも移設にて実現)、2018年6月の定例会では、IoT技術を活用した自動販売機による見守りサービスの検証について紹介しました。私は自動販売機については一貫して推進派であり、その価値を正しく認めるべきだというスタンスで質問を繰り返してきました。


その後、2019年6月の本会議では、自動販売機のこれまでの技術革新による総電力削減状況を取り上げました。2005年という基準年に対して、2017年は電力の消費量が62%削減できていることを紹介。さらに、統計を取り始めた1991年との比率では、2017年時点において総消費電力は78%の削減ができていることを紹介し、私は技術革新によって自販機の総消費電力が激減していることを強調、つまり、環境負荷の少ないタイプの自動販売機が生まれていることを訴えました。

 

そして、転機が遂にやってきました。2023年1月の建設環境委員会にて、担当課長から「自販機の設置について検討することになった」との発言があったのです。さらに同年3月の定例会のなかで、課長は「自動販売機の削減の方針は見直していきたい」と明言しました。私からも、提出された資料に基づき、「市民団体からの意見・要望として、栗山公園には、多目的広場で運動した後に、すぐに水分補給できるように、トイレ付近に自動販売機を設置してほしいとか、また、省エネ効果の高い自動販売機もあるのではないかと、このような意見が出た」ことを紹介しました。

同年11月の建設環境委員会では、課長から「自動販売機の設置に関する方針の見直し」について新たな案文が示されました。同方針案は、引き続き審議会での慎重な協議を経て、2024年3月に市の新たな方針として策定されました(以下参照)。今回導入された自動販売機は、新たな方針に基づいて設置されています。