支部会のために
そこが知りたいQ&A
今月スタート定額減税

2024/06/09 3面


 物価高に対応するため公明党は昨年、所得税減税と低所得世帯への給付を政府に要請し、予算審議や税制調査会の議論を経て実現。今月、いよいよ所得税などの定額減税がスタートします。制度の仕組みについてポイントをまとめました。


 Q そもそも定額減税とは

 A 定額減税を実施する意義は、食品など多くの品目が値上げされる中で暮らしを下支えすることと、手元で使えるお金を増やしてデフレからの完全脱却につなげることにあります。そこで賃金上昇の流れに合わせて、減税を実感しやすいよう賞与が支給される時期である6月に実施することになりました。

■1人4万円を減税/物価高で苦しむ家計下支え

 具体的には、納税者本人と配偶者を含む扶養親族1人につき所得税3万円、住民税1万円の計4万円が減税されます。国内居住者で合計所得金額が1805万円以下の人が対象となります。

 給与所得者の場合、所得税は6月以降の給与や賞与支給時の源泉徴収税額から減税。6月に引き切れなかった場合は、7月以降に順次、差し引かれます。減税額は給与支払明細書に「定額減税額(所得税)×××円」などと表示されます。多くの場合、6月の給与や賞与では所得税がゼロになります。

 住民税は、6月分を徴収しません。その上で、年間税額から定額減税分を控除した残りを7月から来年5月の11カ月間で均等に徴収します。

 個人事業主など事業所得者の場合、所得税は原則として来年2~3月の確定申告で減税。ただし、前年所得などを基に計算した納税額が15万円以上の人は、確定申告の前に一部を納税する年2回の予定納税の機会に減税されます。住民税は2024年6月徴収分から減税され、6月に引き切れなかった場合は、それ以降の税額から順次、差し引かれます。

 Q 年金受給者の場合は

 A 公的年金受給者の場合、所得税は6月から減税し、引き切れない分は次の支給時である8月以降、順次減税されます。住民税については既に8月徴収分までの税額が確定しているため、10月分から減税されます。

 また、働きながら年金を受け取っている場合、所得税については、給与と公的年金の源泉徴収税額から、それぞれ減税されます。その上で、重複した控除については、確定申告義務がある、または還付を受けようとするなどの理由により申告をする場合には、その申告の際に精算されます。

 なお、その年中の公的年金などの収入金額が400万円以下であって、かつ、その年分の公的年金などに係る雑所得以外の所得金額が20万円以下であることなど、一定の要件を満たし確定申告が不要とされている人については、給与と公的年金の両方から定額減税の適用を受けていることだけをもって新たに確定申告義務が生じることはありません。

 住民税については、給与・年金のいずれで減税が行われるかは、各市区町村の判断となります。

 Q 減税し切れない分は 

 A 1人当たりの年間の納税額が、所得税3万円・住民税所得割1万円に満たない人には、減税し切れないと見込まれる額が1万円単位で切り上げて給付されます。

 住宅ローン減税などの適用を受けている人は、税額控除後の所得税額と住民税所得割額から、定額減税で引き切れないと見込まれる額を自治体が算定の上、給付しますので、損することはありません。

 今夏以降、定額減税で引き切れないと見込まれるおおむねの額が支給され、所得税と定額減税の実績の額が確定した後、不足があった場合は追加で給付されます。

 Q 減税の恩恵がない世帯は

 A 住民税非課税など、定額減税の恩恵が受けられない世帯に対しては、計10万円の給付を実施しています。

■10万円給付、ほぼ完了

 昨年、住民税非課税だった世帯には既に3万円が給付されており、昨年末から進められてきた残り7万円の給付も、ほとんどの自治体で完了しています。

 住民税均等割のみ課税される世帯も10万円が給付。この給付も4月末までに8割以上の自治体で支給が開始されています。

■子どもには5万円加算

 また、これらの給付の対象外であった世帯で、今年度から新たに住民税非課税や均等割のみ課税世帯になる場合も10万円給付の対象となります。さらに、こうした低所得世帯で18歳以下の子どもがいる場合は、子育て支援として子ども1人当たり5万円を上乗せします。