こどもまんなか社会を開く公明党~政府の「未来戦略」から~④
こんな声から「子育てと仕事の両立が心配」
2024/05/15 3面
 共働き世帯が増える中、「子育てと仕事を両立できるか心配」との声が多く上がっています。政府のこども未来戦略には、「共働き・共育て」を推進する公明党の主張が多く反映されており、働きながら育児をしていけるようにするための施策が盛り込まれました。主な内容を紹介します。


【これが実る】“男女ともに育休”へ

■賃金の実質10割相当を給付/出生直後の一定期間内に両親が14日以上取得で

 共働き世帯が育児との両立を図るには、男性も育児休業を安心して取得し、育児参加できる環境づくりが不可欠です。政府は、男性の育休取得を促すため、男女ともに取得しても収入が減らないよう、2025年4月から出生直後の一定期間内について、育児休業給付金の給付率を引き上げます。

 育休を取得すると現在、休業開始から通算180日までは、社会保険料の免除なども含めた実質手取り額で賃金の8割相当の給付が受けられます。25年4月からは、この期間のうち、父親は子どもの出生後8週間以内、母親は産後休業後8週間以内について、両親がともに14日以上の育休を取得した場合、実質手取り額が最大28日分、10割相当に引き上げられます。

 「休むと周囲に迷惑を掛けてしまう」と考え、育休をためらう人も多くいます。

 そこで、取得しやすい環境づくりへ今年1月から、取得者の代わりに業務を行う従業員に手当を支給するなどの体制を整えた中小企業への助成を大幅に強化しています。

 公明党は、自民党との連立政権に参加後、育児休業給付金の給付率を着実に引き上げてきました。22年11月に発表した「子育て応援トータルプラン」で、育児休業制度の拡充を掲げたほか、昨年5月に党女性委員会が政府に提言した「すべての女性のためのトータルプラン」でも男性の育休取得率の向上と取得しやすい職場環境の整備を求めるなど繰り返し政府に訴えてきました。

【これが実る】柔軟な働き方を促進

■テレワークなど選択肢増やす/時短勤務、賃金の10%を支給

 テレワークや短時間(時短)勤務など場所や時間にとらわれない柔軟な働き方を可能にしていくことも、子育てと仕事の両立の後押しにつながります。

 そこで政府は、3歳から小学校就学前の子どもを育てる労働者を対象に「親と子のための選べる働き方制度(仮称)」を創設します。すでに衆院を通過した育児・介護休業法などの改正案が成立した後に開始時期が決まります。

 この制度では、全事業主に①始業・終業時刻の変更(フレックスタイム・時差出勤)②育児のためのテレワーク③短時間勤務④保育施設の設置運営など⑤子の養育のための休暇――の中から複数の制度導入が義務付けられます。それらから、対象の労働者が希望する制度を選択して利用できます。

 賃金が下がることを懸念して短時間勤務をためらう人もいます。

 そこで来年度からは、2歳未満の子どもを育てる短時間勤務者を対象に、時短勤務時の賃金の最大10%を支給する「育児時短就業給付(仮称)」を新設。残業免除の申請期間も、現在の「3歳になるまで」から「小学校就学前まで」に延長します。

 公明党は、子育て応援トータルプランで柔軟な働き方の推進や、短時間勤務制度利用による減収分を補う施策の実施などを求めていました。

【これが実る】看護休暇を使いやすく

■学級閉鎖や行事でも利用可に

 就学前の子どもの急な病気などに活用されている「看護休暇」。現在、子ども1人につき年5日(子どもが2人以上の場合は年10日)付与されています。1時間単位での利用や、当日の申請による取得も可能ですが、取得要件が病気やけがによる子どもの世話などに限定されています。

 2025年度からは、使い勝手をより良くするため、感染症に伴う学級閉鎖、入園式や卒園式など子どもの行事でも利用できるようになります。さらに、対象年齢を「小学校3年生修了時まで」に引き上げます。

 看護休暇制度は、公明党の強い主張で02年から始まりました。以降も、国会質問や政府への提言などを通し、給付日数の拡充や看護休暇の取得要件緩和、対象年齢引き上げを強力に推進してきました。