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在留特別許可に「子の利益」

入管庁が制度指針改定/透明性向上へ、判断の考慮要素を明確化

2024/03/21 2面

 

 昨年6月成立の改正入管難民法で新たに創設された在留特別許可の申請制度を巡り、出入国在留管理庁は、在留特別許可に関するガイドライン(指針)を改定し、許否に関する考慮事情を明確化した。積極的に評価する要素として、日本で家族と生活する子どもの利益保護の必要性などを例示。これは公明党が改正法の審議の中で訴えていたもの。6月にも予定される改正法施行と同時に運用を始める。

 

 在留特別許可は、不法滞在などで強制送還の対象となった外国人に対し、「諸般の事情」を考慮して法相の裁量で例外的に在留を認める制度。改正法では、本人による申請手続きを創設するとともに、許否の考慮事情として「家族関係」「素行」などを明示した。

 

 今回の指針改定では、判断の透明性や予見可能性を高めるため、その考慮事情を具体化した。積極要素では▽親が地域社会に溶け込んでいる▽子どもが日本で相当期間教育を受けている――ことなどを例示。消極要素には「不法に在留している期間が長い」を新たに挙げた。「積極要素が消極要素を明らかに上回る場合、許可する方向で検討する」としている。

 

■公明、必要性訴え

 

 改正法を巡って公明党は、在留特別許可の申請制度を適正に運用する観点から、ガイドラインに外国人の子どもの利益確保や家族の統合の必要性を盛り込むよう訴え、当時の法相が前向きに取り組む意向を示していた。