政治資金問題
政規法改正実現すべき

罰則強化で再発防げ/衆参予算委で中川(康)、谷合氏訴え
2024/01/30 1面


■首相「連座制導入、各党と議論」

 衆参両院の予算委員会は29日、岸田文雄首相(自民党総裁)らが出席して自民党派閥の政治資金問題を受けて集中審議を行った。公明党から衆院で中川康洋氏、参院で谷合正明氏が質問に立ち、再発防止へ政治資金規正法を改正し、違反行為への罰則を強化する必要性を指摘した。質疑に先立ち、岸田首相は、今回の政治資金問題によって国民の政治不信を招いたことを陳謝した上で、同法改正などの再発防止策について「私自身が先頭に立って必ず実行していく」と強調した。


 中川氏は、今回の問題に対し「国民の生活感覚から大きくかけ離れたものであり、断じて許されない」と指摘。問題の実態解明や再発防止、信頼回復に向けた岸田首相の姿勢をただした。岸田首相は「党役員を中心に関係者の聞き取りを精力的に進めながら実態を把握し、党としての対応を考えたい」と答えた。

 再発防止に向けて中川氏は、18日に公明党が発表した「政治改革ビジョン」で、違反行為への罰則強化として、会計責任者だけでなく、政治家も責任を負う「連座制」の強化を掲げたと強調。「実現すれば、罰金刑のハードルはかなり下がり、抑止力が高まる。『私は知らなかった』という政治家の言い訳は通用しなくなる」と訴えた。

 岸田首相は「違反の抑止力を高めるという考えに共感し、共有する」と述べるとともに「各党各会派の連座制を含む議論に自民党も真摯に貢献したい」と表明した。

■政策活動費の使途公開義務化も

 さらに、中川氏は、議員が政党から受け取る「政策活動費」について「議員がどのように使ったか公開されていない」と問題視。「与野党を超えて議論を行い、使途公開の義務化をはじめ、あるべき姿をつくる必要がある」と力説した。

 一方、谷合氏は、政治資金の透明性確保に向けて、米国では、独立した行政機関である米国連邦選挙委員会(FEC)が収支報告の公開や法令順守の確保などを担っていると紹介。日本でも「政治資金を監督する独立した第三者機関が必要ではないか」と提案した。その上で、第三者機関による監督が円滑にできるよう収支報告書のデジタル化やデータベース化を進めていく必要性を訴えた。

 また、政治資金規正法の改正について「議員立法での成立を考えるなら、与野党協議を設けるべきだ」と強調。岸田首相は「議員立法で行われるべきだ。与野党による議論の場が設けられた場合、党として積極的に貢献したい」と答えた。
質問する谷合氏=同 参院予算委