全国県代表協議会
山口代表あいさつ
2024/02/11 3面


■(はじめに)結党60年へ「第二の船出」

 全国の都道府県本部の代表、幹事長の皆さん、連日連夜、地域の発展、党勢拡大に向けた闘い、本当にありがとうございます。

 元日、能登半島を襲った地震の発生から1カ月以上が経過しました。石川県では、いまだ1万3000人に上る被災者が避難を余儀なくされ、輪島市、珠洲市などでは、長期化する断水など不自由な生活が被災者の心身に追い打ちをかけています。明日への見通しが見えない不安と闘い、苦悩する被災者に手を差し伸べ、心に希望の灯をともしていく。その重要な役割を担うのが政治です。

 一方で、自民党派閥の政治資金問題によって政治への信頼は失墜し、政策遂行に欠かせない政治の安定が揺らいでいます。能登半島地震をはじめ重要課題への対応が急務な今、政治の停滞を招くわけにはいきません。今国会で政治改革を断行し、政治に対する信頼を取り戻すとともに、来年度予算案の成立・実行を進め、一刻も早い被災者の生活、なりわい再建へ総力を挙げて取り組んでいこうではありませんか!

 公明党は今年、結党60年を迎えます。人間で言えば、還暦であり、干支が一巡して元の暦に還る還暦には「生まれ変わって新たに出発する」との意味が込められています。結党60年を迎えるに当たって、全議員が、いま一度、結党の原点に立ち返り、生まれ変わった決意で公明党の「第二の船出」を期してまいりたい。そのスタートとなるのが、きょうの全国県代表協議会です。さあ、皆さん、新たな決意で党勢拡大にまい進し、強く、そして躍動する党を築いていこうではありませんか!

■(政治の安定と改革へ)公明が主導力を発揮/難局打開し日本の未来開く

 公明党は1964年11月17日、既成政党が保守対革新のイデオロギー闘争に明け暮れる中、政治から置き去りにされた庶民の切実な願いと期待、すなわち“衆望”を受けて誕生しました。今日まで60年に及ぶ公明党の歴史は、政治を庶民の手に取り戻し、党綱領の冒頭に明記している「中道主義」、つまり、<生命・生活・生存>を最大に尊重する「人間主義」の理念を政治の中心軸に据える「改革」への歩みといえます。そして、それは同時に、公明党議員が「大衆とともに」との立党精神を不断に実践し、一人の声を政策として結実させていく闘いの連続でもありました。

 25年前の1999年10月、公明党は「政治の安定と改革のリーダーシップ発揮」を掲げ、自民党との連立政権に参加。与党の一翼を担い、その「改革」の歩みは一段と加速しました。公明党の中道主義の政治は、政治的、社会的な分断・対立を止揚し、協調・統合へと促すものです。「大衆福祉の充実」の面では、社会保障制度を従来の高齢者だけでなく、子育て支援など全世代型に拡充。消費税の軽減税率は、社会保障制度の財源確保と生活者への配慮を両立した画期的な制度となりました。

 こうした公明党が主導した改革は、国民の支持を得て、政治の安定をもたらし、さらなる改革を可能にする「安定と改革の好循環」につながってきました。連立政権に公明党がいることが国民生活に安心感を広げている。これは紛れもない事実です。

 今、わが国は、能登半島地震のほか、物価高や少子化などの重要課題を抱え、国際社会に目を転じれば、ロシアによるウクライナ侵略や、中東のガザを巡る紛争など分断・対立の危機が深刻化しています。この難局から国民生活と国益を守る上で、何よりも求められるのは、政治の安定です。公明党は、必ずや政治の信頼回復を成し遂げ、政治の安定と改革のリーダーシップを発揮して、日本の明るい未来を切り開いていかなければならないと強く決意しています。

■(能登地震への対応)生活再建の歩みリード/ニーズにかなう支援に全力

 能登半島地震では、公明党議員が発災直後から災害現場に急行し、実態を全身で受け止め、被災者の声を丹念に聴き取っています。公明党議員がいない空白区では、周辺の議員が駆け付けて被災者の声を聴き、自ら被災しながらも「自分のことは後回しでいい」と懸命に地域を走る姿は、立党精神を体現する公明党議員の模範です。

 公明党は2度にわたる首相官邸への申し入れや国会質問などを通じて被災者の声を政府に訴え、政府が1月末にまとめた「支援パッケージ」に大きく反映させました。公明党議員のネットワークの力は、被災者の生活や、なりわい再建の歩みを力強くリードしています。

 厳寒の時季と重なり、避難生活は過酷です。長引けば、災害関連死のリスクは高まります。避難環境の改善のほか、これまでのコミュニティーや高齢者に配慮した仮設住宅の建設など住まいの確保を急がなければなりません。引き続き、公明党は被災者のニーズにかなう支援策の実現に党を挙げて取り組むとともに、それが現場とマッチしているか、現場に足を運び、フォローアップしてまいりたいと思います。

■(政治改革に向けて)「清潔な政治」が党是/政規法改正へ合意形成図る

 政治資金問題では、現職国会議員が逮捕、起訴され、多くの自民党議員が収支報告書を訂正する事態に陥ったことは、極めて遺憾と言わざるを得ません。

 今回の問題を引き起こした自民党がどう自浄能力を示すかが問われています。自民党の4派閥が解散を決断し、自民党政治刷新本部が政治改革に関する「中間取りまとめ」を示したことは、自浄作用の一つと言えますが、さらに問題の全容などについて、関係議員は説明を尽くしてもらいたい。加えて、再発防止に向けた自民党の制度改革の具体案を早急に示すことを強く望みます。

 「清潔な政治」は公明党の党是です。結党以来、腐敗政治に厳しくメスを入れ、1円以上の政治資金支出の領収書公開の義務付けなど、時には自民党を説き伏せて改革を前進させてきました。公明党は、今年を「政治改革元年」、今国会を「政治改革国会」として、政治改革の実現に総力を挙げてまいります。

 公明党は他党に先駆け、1月に「政治改革ビジョン」を発表しました。ビジョンの柱は、政治資金の出と入りの透明性と、違反行為への抑止力を向上させるための罰則の強化です。

 特に、収支報告書の虚偽記載などについて、その責任を会計責任者だけでなく、政治家も負う「連座制」の強化は、「秘書や会計責任者がやったことで自分は知らない」という政治家の言い訳を封じる上で欠かせません。
 今国会では、これらの改革を断行するための政治資金規正法の改正を断じて成し遂げたい。
 そのための与野党協議と幅広い合意形成を公明党はリードしていく決意です。

■(少子化対策など)中小企業の賃上げ後押し/来年度予算案の年度内成立めざす

 今年の春闘では、昨年を上回る賃上げに期待が高まるなど、30年余り続くデフレからの完全脱却が視野に入ってきました。
 定額減税の実施に加え、中小企業の賃上げや生産性向上を後押しし、デフレ脱却への流れを確かなものとしなければなりません。
 子育てに安心と希望を届けるため、児童手当の大幅拡充など、政府が来年度からの3年間で集中的に取り組む「こども未来戦略・加速化プラン」の着実な推進も課題です。

 こうした施策を確実に実行するため、財源の裏付けとなる来年度予算案、税制改正法案の年度内成立を早期に確保したい。

■(党勢拡大の取り組み)地域に根差した活動強化

 統一外の地方選で過去最高票を獲得した公明党議員に共通して見られるのは、議員個人で支持を広げていく「拡大力」の強さです。その源泉は、地域に根差し、地道に実績を積み重ねてきた議員への信頼にあります。党勢拡大の出発点は、常に「目の前の一人」です。全議員が一対一の訪問対話など日常活動を一層強化し、地域から信頼の輪を大きく広げてまいりたい。

 また党勢拡大は、党の考えや動きをリアルタイムに伝える公明新聞の拡大があってこそです。一人でも多くの方が公明党の真実の姿に理解を深めていただけるよう、電子版を含め公明新聞の拡大に議員が率先して挑戦していきたいと思います。

 衆院議員の任期は折り返しを越え、常在戦場の構えで、次期衆院選に臨みます。これから、その衆院選と参院選、東京都議選の“三つの政治決戦”が行われます。私たちは今年6月の沖縄県議選をはじめ、全ての統一外地方選挙に連続勝利し、党勢拡大の勢いを増していきたい。

 全国の都道府県本部の代表、幹事長の皆さん、私たちが動き、闘い切った分だけ党勢は確実に拡大します。きょうを機に、全議員が総立ちとなって地域、現場へ飛び込み、党勢拡大の新たな歴史を築いていこうではありませんか。私自身、その先頭に立って闘います。共に闘い、断じて勝ちましょう!