妊娠してから思ったのだけれど、


私達の“こころ”って、普段は数種類の膜でガードされてるのかも。


“悲しくならないようにする膜”

“傷つかないようにする膜”

“怒らないようにする膜”

“見て見ぬふりする膜”

とか、色々…。


たくさんの膜が幾重にも巻きついてガードしてくれてて、

尖った毒矢が思わぬ方向から突き刺さったとしても、

その膜がじわりじわりとその毒を薄めて、ダメージをできる限り食い止めてくれているのかも、って…。



なのに、どうしてどうして、

お腹に赤ちゃんが宿っている間は膜がひとつも消えちゃってるみたい。

ツルンとして、きれいすぎるピンク色した“こころ”が、無防備にも生々しく、だけど堂々としてここにあるみたい。


正直、自分としても困るのですけど…そんな無防備な姿でいられると、

尖ったものがいつもの数十倍の痛みを伴って、ものすごいグロテスクな音をたてて、深く、深く突き刺さるから、

「だから言ったのに…」って言わんばかりに、真っ赤な血がドクドク流れてしまっている。

いつもなら傷つきそうになっても笑って掻き消してしまうはずの事が、
冗談だって処理できるはずの事が、
真っ直ぐすぎるほど真正面から見事に突き刺さってきたりする。

貫通して大きな穴になっているところもある。

普段でさえ勘の鋭い私なんて、
32歳にして初産の特典なのか、嘘だってすぐに見破れてしまう。
相手が嘘をつくと、体中のあらゆる箇所から悲しみが溢れ出す。
前が見えないくらい全てが悲しみに浸食される。あの悲しい痛み、例えようがない。


赤ちゃんを守っていかなきゃいけない。

赤ちゃんが健やかに育ってくれるようにあらねばならない。

だからできる限り平静でいたいし、

幸せだけを感知して、いつもニコニコ穏やかにいたいのに。


どうしてこんな大事な時に、女の人はこんなことになってしまうのか…。

なんだか赤ちゃんの“こころ”が私のここにあるみたいに。



きっと意味はあるのでしょう。

ホルモンがとか医学的にどうとか、理論的なことではなくてね、
何か意味があるのでしょう。

「理論的に」、は妊婦にはタブーですからね。
正論とか理論なんて妊婦には全くもって意味をなさないようですから(笑)

そんなことを、朝方の夢から覚めるか覚めないかの微睡みの延長で、考えたりしていました。
先週は3センチだった。


スーパーで買ったいちごを手に思った。
ちょうどこのくらいの大きさだって。



それが今日は5センチ。


私のお腹の中に舞い降りてきてくれた命。



あんなに小さな体で、でも頭も胴体も手足ももうちゃんとわかる。


心臓を懸命にピクピクと動かしていました。



私が一晩中グズグズ泣いてたって、


つわりがひどくて気が狂いそうになってたって、

赤ちゃんは昨日より今日、今日より明日。


頑張って着々と大きく成長してる。



この赤ちゃんが産まれてくる時には、きっとみんなが心の底から喜んで誕生を迎えいれてくれますように。


みんなが幸せを感じてくれますように…。



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