近畿大学のスピーチっていいですよね。

 

特にこれが好きです。

 

いつも11時だな。って思いますね。人生は。

 

 

「想像してください。

 

僕たちは今この瞬間に未来を変えることはできません。

そうでしょ? 『10年後の未来を、今、この瞬間に変えて』と言われても、ちょっと難しい。

 

でも、僕たちは過去を変えることはできる。

 

たとえば、卒業式の登場に失敗した過去だったり、

たとえば、好感度が低い過去だったり、

たとえば、アホな相方を持ってしまった過去だったり、

たとえば、友達と一緒に恥をかいてしまった過去だったり。。

 

そういった過去を、たとえば僕の場合ならネタにしてしまえば、あのネガティブだった過去が俄然、輝き出すわけです。

 

『登場に失敗して良かったな』と思えるし、

『嫌われていて良かったな』と思えるし、

『相方がバカで良かったな』と思えるし、

『友達と一緒に恥をかいて良かったな』と思える。

 

僕たちは今この瞬間に未来を変えることはできないけれど、過去を変えることはできる」

 

 

「これから皆さんは社会に出ます。

様々な挑戦の末、

最高の仲間に出会えることもあるでしょうし、

最高のパートナーに巡り会えることもあるでしょうし、

最高の景色に立ち会うこともあるでしょう。

 

一方で、

 

涙する夜もあるし、

挫折もあるし、

傷を背負うし、

言われのないバッシングを浴びることもあるでしょう。

挑戦には、そういったネガティブな結果は必ずついてまわります。

 

でも、大丈夫。

 

そういったネガティブな結果は、まもなく過去になり、そして僕らは過去を変えることができる。

 

失敗した瞬間に辞めてしまうから失敗が存在するわけで、

失敗を受け入れて、

過去をアップデートし、

試行錯誤を繰り返して、

成功に辿りついた時、

あの日の失敗が必要であったことを僕らは知ります。

つまり、理論上、この世界に失敗なんて存在しないわけです。

 

このことを受けて、僕から皆さんに贈りたい言葉は一つだけです。

 

 

挑戦してください。

 

 

小さな挑戦から、世界中に鼻で笑われてしまうような挑戦まで。

皆さんにはたくさんの時間があるので、たくさん挑戦してください」

 

 

「一応、絵本作家もやっているので、最後は絵本の話でまとめます。

 

今、『チックタック ~約束の時計台~』という絵本を作っています。時計を舞台にした物語です」

 

 

 

 

「時計の針って面白くて、長針と短針が約1時間ごとに重なるんです。1時5分頃に重なって、2時10分頃に重なって…毎時重なるんですけど、でも、11時台だけは重ならないんです。

短針が逃げきっちゃう。

二つの針が再び重なるのは12時。

 

鐘が鳴る時です。

 

何が言いたいかと言うと、『鐘が鳴る前は報われない時間がありますよ』です。

 

僕にもありましたし、皆さんにも必ずあります。

人生における11時台が」

 

 

 

「でも大丈夫。

 

時計の針は必ず重なるから。

だから、挑戦してください。

 

応援しています。頑張ってください。

 

僕は、少し先で待っています。

いつか一緒にお酒を呑みましょう。

 

卒業生の皆様、御家族の皆様。

本日は、本当におめでとうございます。

 

キングコング西野亮廣でした」