前を行くのは
お母さんと手をつなぎ歩く幼い女の子。
お母さんを見上げながら。
幼い頃って、お母さんが大好きだったよな。
お母さんしか、いなかったよな。
だから気付かなかったんだ。
違和感。
成長するにつれ色んな人に出会い、自分が親になり。
違う。考え方、生き方。
わかり合えない。
当たり前か。
別個の人間だもんな。
でも違うんだ。
これはもう怒りだから。
忘れてたこと、今になって思い出す。
数少ない思い出の中から。
言われて悲しかったこと。
守ってくれなかったこと。
秘密にしてくれなかったこと。
だから、別にいいよね。
母親が大嫌いでも。