生体実験 |  へんくつマッキーの日向ぼっこ

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 偏屈オヤジが映画・小説・マンガ等について、
 独断と偏見に満ちた戯言を綴っていきます。
 暇つぶしになれば幸いです。

 

おはようフェルプス君。オズワルド・ベック博士は近頃、脳脊髄膜炎を誘発する細菌の培養に成功した。感染後、数分で死に至る細菌であり、数時間で無害になるため敵国が兵器に使う恐れがある。今回の任務は、細菌を始末し博士を葬ることだ。

 

ローランとバーニーは、ボンベでガス注入の確認をしている。

さらにバーニーは高速エアジェットのドリルを用意した。

シナモンにはインタビューの資料が渡された。

ブレデンスク医学研究所では免疫の研究が行われてるが、14号ビルを除けば警備は薄い。

作戦の遂行には、優秀な保安将校のオルニー大尉を騙さなければならないが、ベツクが金に汚いことを利用できるだろう。

ジムが手にしたボンベには、細菌に感染したことと同じ症状を起こすガスが入っている。

彼らは政治犯を細菌のモルモットとして実験を行うようだ。

もしローランが感染すれば、10分で死ぬ。

解毒剤を開発するのは難しく、ベックも母菌も培養菌も全てを始末するしかない。

 

プレデンスク医学研究所にシナモンが新聞記者として、ベック博士に取材に来た。

外部とのコンタクトに敏感なオルニー大尉を説き伏せ、ベックはシナモンのインタビューを受けることにする。

その頃、建屋の屋上ではバーニーが目的の場所へ移動していた。

 

ベックはシナモンにウィルスにより移植手術の拒絶反応を抑えられることを答えている。

その様子は、ベックの事務所に仕掛けられた盗聴器でオルニーが逐一、聞き取っていた。

シナモンはベックに経歴を確認してほしい、と封筒を渡す。

中から出てきた紙には培養菌を50万ドルで買い取る文章が記されていた。

文章を見たベックは予想以上の出来だ、とほめながらも一部を修正したい、と言い出す。

盗聴されていることを知りながら筆談で交渉を行う二人。

そこにオルニーが入ってきた。

シナモンはオルニーにも経歴を確認してもらうように言い出す。

そして手元のペンの軸を捻った。

するとベックの手にある紙の50万ドルでの買取文章が消え、経歴が浮き上がってきた。

訂正する箇所があれば連絡してほしい、と滞在先のビクトリア・ホテルを告げシナモンは去った。

 

実験台の政治犯を乗せた車が研究所に到着した。

研究所内の十字路に立つ軍服姿のジムは、14号ビルの場所を聞かれて反対方向を教えた。

その先にはウィリーが守衛として立つニセの14号ビルがあり、政治犯はその中に連れていかれる。

そこは本当は27番ビルであり、屋上に潜むバーニーが14号のニセの看板を掛けて胡麻化していたのであった。

ビル内でジムとウィリーが、政治犯を連れてきた将校を閉じ込める。

そしてローランが政治犯と入れ替わり、本当の14号ビルにジム達が連れて行った。

 

軍医としてローランを伴い14号ビルに入ったジムは、実験準備室でベックとゼペト博士、オルニーに引き合わされる。

ローランを見るなりオルニーは、自分が選んだ囚人ではない、と文句を言いだした。

すかさずオルニーの選んだ囚人の死亡証明書と自身の身分証を差し出すジム。

ここはローランを実験台に仕立て上げなければならない。

書類に目を通したオルニーにジムがこの男でも問題はない、とダメ押しをする。

こうしてローランを実験台とする準備が始まった。

 

ジムはオルニーに緊急の話がある、と持ち掛けて別室に移動する。

ジムは昨夜の出来事として男女の二人組から50万ドルで培養菌を盗み出してくるように持ち掛けられたことを打ち明ける。

オルニーには思い当たることがあった。

その女の特徴はシナモンと似ている。

シナモンを盗聴しろ、とオルニーは部下に命じた。

 

14号ビルに天井からバーニーが忍び込みイスの下にカプセルを忍ばせ、ガス管に風船を設置する。

次に壁を抜き始めた。

 

研究所にカーシュ将軍が到着し、いよいよ実験が始まった。

ローランに取り付けられた心電図と脳波計がグラフを描き出した。

将軍をはじめオルニーやジムがローランの隔離された実験室を見守る中、ベックが培養液を詰めたボンベをマニュピュレータで操作し制御室に運び込ませる。

その途中で壁を破ったバーニーがボンベを入れ替えた。

入れ替えられたボンベには、細菌に感染したと同様の症状をもたらすガスが詰まっている。

バーニーは培養液のボンベを手に入れることに成功した。

入れ替えられたボンベを手にしたベックがガス管にセットしてローランの部屋にガスが送れるようにする。

だがガスはバーニーが設置した風船に流れ込み、ローランの部屋には充満しないようになっている。

ローランはバーニーがイスの下に隠したカプセルを手に入れ、飲み込んで仮死状態となった。

グラフが変化しないことからベックはローランの死亡を告げ、将軍は報酬の20万スイスフランを渡そうとする。

そこにオルニーが割って入った。

検視で培養菌が死因と特定できるまでは支払えない、と言うのだ。

仕方なくベックは検死を急ぐことにし、ジムも手伝いに制御室を出る。

その時、遠隔操作により風船内のガスを制御室に逆流させた。

オルニーと将軍が残った制御室に・・・。

ほどなく二人は制御室の床に転がってしまう。

 

検死を始めるとジムは、ローランが死んでいないことを指摘し、更に制御室でガス警報器が点灯していることを知らせる。

バックが確認するとオルニーと将軍が倒れている。

換気を済ませて制御室に入ったベックとジムは、二人が細菌に感染したと同様の症状であることを確認した。

最初から二人を殺して細菌を売る気だったのか、となじるジム。

このままでは実験の責任を取らされると怯えたバックは、将軍から拾った銃をジムに向け、マニュピレーターを使い母菌を持ち出そうとする。

こうなればシナモンに50万ドルで売るしかない。

ガスのボンベ同様に運ばれてくる母菌のシャーレ。

バーニーはシャーレも入れ替えて、母菌を手に入れる。

そしてビクトリア・ホテルのシナモンに電話を入れ、取引に応じることを告げる。

だがこの電話はシナモンを盗聴していた中尉に聞き取らていた。

制御室に向かった中尉は、そこで銃をもつベックと遭遇し反射的に射殺してしまう。

ジムは、火薬の入ったシャーレをマニュピレータを使い培養室に戻して発火させて全ての菌を焼き殺す。

こうしてベックと菌の始末は完了。

ローランは、バーニーとウィリーに助け出され任務は完了する。

 

 

 

ボンベの交換は大したトリックではないが、ベックを始末させる運びが見所である。

そして秀逸なのはローランの死ぬ演技。

しかし人が苦しんで死ぬ様を監視するなど、科学の怖い一面を見た。

 

☆☆☆・・・損はない