先日、こんなセミナーに参加しました。

タイトル: 【セゾン資産形成の達人ファンド​】アライアンス・バーンスタインを​徹底分析!
日時: 2015年 9月 13日(日)14:00~16:30
場所: 東京都墨田区 国際ファッションセンター11F

今回は、ちょっと熱いセミナーだったので、書き方を変えてみます。(^^;
#まともに書くと、「ピー(効果音)」だらけになりそうでした。。。


ギリギリの時間に到着したため、一番前の席になったのですが、ノベルティのボールペンいただきました。ありがとうございました♪

プログラムは、こんな感じでした。

14:00 セミナー開始
14:10-14:30 セゾン投信が標榜するアクティブ運用とは? (セゾン投信社長 中野晴啓氏)
14:30-15:30 米国成長株集中投資戦略の魅力を徹底解説 (アライアンス・バーンスタイン投資信託部長 中鉢勝氏)
15:40-16:20 トークセッション&質疑応答

司会の方からの紹介でスタート。
セゾン投信の達人ファンドの中のファンドを紹介するシリーズは、先週に引き続き、第4弾。今回が今年最後、と。

中野さんからのお話は、こんな感じですね。
8/26にフィデューシャリー宣言(フィデューシャリーデューティー)を行った。フィデユーシャリーという言葉は、ご自分では若い時から聞いていたが、あまり深く考えていなかった。創業時に意識した、とのことでした。
日本語にすると、「顧客への忠実義務」というのが分かりやすいと。お客様だけのために仕事する。お客様第一と掲げている企業もあるが、そんな生易しいことではない。もっぱらお客様のために、と。もっぱらというのは100%という意味。極端なことを言うと、報酬を受け取ることもダメになる、ということになり、どうやって飯を食うんだ、となってしまうので、1.利益相反の排除 2.しっかり継続的に行うために、合理的な報酬をいただく、という2本の軸になる。
という説明でした。
ファンドのお話では、1,270億の純資産残高になる。そのうち、1,000億ちょっとがセゾンバンガード・グローバル・バランスファンド(以下、SVGBF)、270億近くが資産形成達人ファンド(以下、達人F)である。SVGBFの信託報酬を0.05%引き下げたということも説明されていました。数値としては大きいとは言えないが、重要なシグナルとして考えて欲しい、と言われた時に、ちょっと拍手が出ました。ご本人は恐縮されていましたが、こちらもフィデューシャリーに対する意思表示だそうです。

SVGBFは、インデックスのポートフォリオ。日本偏重を外した、国際分散。達人Fについても同様に国際分散であり、こちらはアクティブ運用。つまり、運用会社の自己主張を表現している。そして、徹底した厳選投資で、銘柄選択をしている。ビジネスが生み出す新たな富、そしてその生み出す力を評価している。目先でなく、継続的安定的健全な生み方、ということも重要視している。セゾン投信はファンド・オブ・ファンズ、つまりマルチマネージャー型。磁場のマネージャーにポートフォリオ作成を任せている。そのため、マネージャーとの価値観の共有を大事にし、ポートフォリオになった後も、モニタリングを続け、共有した物を持ち続けているかを確認している。
最近、結果が出てきているが、貢献しているのは皆様。また達人Fの方が安定的なキャッシュフローがある。今回の人民元の切り下げ時にも入金があった。

次に、中鉢さん。
上にある写真のような資料をいただいたのですが、それを書くわけには行かないので、ざっとまとめます。
最初にクイズがありました。日本株は上がらないと言われているが、米国株は過去40年でどのくらい上がったでしょうか? ちなみに日本は4.7倍。。。正解は100倍。為替が360円から120円になっているのを考えても、30倍くらいにはなっている、とのこと。先進国なのに、新興国の様相を持つ米国。民族が多様である、先進国で唯一人口が増加している。毎年300万人ほど。日本企業は大手というと30年前にもあった企業が多いが、米国は新陳代謝があり、FacebookやGoogleは10年前にはなかった。その前はMicrosoft、Intel。さらに前だとIBMやGM、というように。
最初に、アライアンス・バーンスタイン(以下、AB)についての紹介。ロゴの説明もありました。アライアンスとバーンスタインの2社が合併したので、縦に並べてあること。両脇のカッコはお客様との結びつきを示し、真ん中の横棒は合併した2社を結ぶそうです。結びつきを大事にする会社だと分かりますね!
会社の目標は、「明日のその先を見据えて(Ahead of Follow)」。明日に備えてお手伝いをする。そして、徹底した調査が強み。運用資産残高は60兆円ほど。NYマンハッタンのミッドタウン、ロックフェラーセンターに近い6番街に面している。が、ハゲタカ外資ではなく、45年を超える歴史があるそう。そして、NYで上場している会社なので、うさんくさくはない。顧客の半分は機関投資家、残り半分が個人。また、日本では約5年ほどハッピーリタイアメントのために、投資啓発等も行っているとのこと。
投資哲学は、「長期に安定した利益成長が長期の優れた投資リターンにつながる」ということで、さらに噛み砕いた説明がありました。具体的に投資されている会社も紹介されていましたが、あまり聞いたことのない名前が出てきて、でも確かに興味を持てる会社で、おもしろかったです。

休憩をはさんで、トークセッション。(以下、敬称略)
中野: 最初は砕けてて、途中から真面目なお話だった。生活者目線で、とてもよかった。もともと銀行員、その後投資銀行を経て、現職へ。ABに入ったきっかけは?
中鉢: フィデューシャリーにも関連するが、資産運用専業へ行きたかった。銀行では13年間運用をやっていた。前職では、金融コングロマリッドの中の運用だった。専業で仕事がしたい、と思った。
中野: 米国では独立系が中心。バンガードも同様。ほとんどの方が知らないが。ABも大手ではあるが、独立系。独立系が強い。30年前は米国も大手が多かったが、今は独立系ばかりになっている。ABは尊敬すべき先輩でバリュー投資、先週セミナーをやったT.ロウ・プライズも先輩でグロースとなっている。日本にも一般化しやすいと思っている。また、日本のABが好きである。(投資を啓蒙するための)本を出している。本気で日本に長期投資家を作り出したいと考えているから。外資では見たことがない。外資の多くは、肉食系ビジネスモデル。本国ではちゃんとやっていても、日本では、ということも多い。
中鉢: 5年前から啓蒙活動をしている。こういったことをやっているのにも魅かれた。「女子の幸福論」という小説ではあるが、投資のエッセンスを入れている。八重洲ブックセンターでしばらく2位になっていた。朝倉真弓さんが書かれているが、社長からの謝辞もある。ハッピー・リタイアメントについての第一弾として。映画化の話や小説に出てくるABカフェを作ろうかと言う話もあったが、お金がかかるので、実現していない。(笑)
中野: 日本の社長である山本さんは、本国でもステータスがあり、こういったことへの独断・英断をした方。日本に根を張ってやっていく、と考えている。儲からなくなっても、撤退しないというくらい。
中鉢: 儲からなくなったら、撤退するかもしれないが。「設けることばかり考えるな」と社長に言われている。明日以降へつなぐのだと。私は営業なので、目先ばかり・・・
中野: 来年もAB社長山本さんとセミナーをやろうと考えている。

以降、質疑応答。
Q: 両国を選んだのは、相撲に関係あるのか? (話し始めに、中野さんが相撲の話をされていたため?)
中野: この場所は、バンガード加藤社長とやった時と今回で2回目。終わったら、ちゃんこが食べられるのもよいが。広い会場がここしか空いていなかったため。好評であれば、また機会を持つ。

Q: 達人Fに米国系ファンドが3つあるが。その3つの役割分担は?
中野: バンガードという名前ではあるが、それは実際にはプライムキャップ。ナスダックが多い。T.ロウ・プライスについては、外連味はないが、安心感がある。ABはとことん厳選。というように、性質が違う。そのバランス配分をするのがセゾン投信の仕事。それでも、同じ価値観の軸で繋がっている。

Q: ABがNYで上場している。メリット、デメリットがあると思うが、なぜ?
中鉢: 財務的、会計的に公明正大にするため。上場するということは、基準にきちっと則っている。それと、知名度を上げること。株主から、収益を上げろというプレッシャーはあるが、創業一家の経営がずっと続き、何が起こっているか分からないということよりはよい。信用がよりできる、ということ。

中野さんからQ: フィデューシャリーからして、上場すると相反が起こるのではないか?
中鉢: 適正な利潤を得て、両立できると考えている。米国にはERISA法(エリザ法、Employee Retirement Income Security Act)というものがある。企業がリストラする時等、退職金は必ず払う必要がある。退職金給付で会社がつぶれるということもある。最近ではGMなど。ERISA法を順守していることで、フィデューシャリーの観点からは問題ない。
中野: ERISA法が、米国ではフィデューシャリーになっている。日本にもやっと、というところ。
中鉢: 日本には年金補償法となる、ERISA法がないため、年金基金がなくなって混乱が起こることも。米国では、年金基金がなくなるということはない。会社がつぶれても、国が補償する。すべてとは言えないが。

Q: 歯医者のゲームで、1925年から2000年の中で・・・というお話があったが、大きい変動率があったのはいつか?
中鉢: 1600ドルが1000ドルになってしまったというのは、一番変動率が大きかった1933年を除くということ。680ドルになってしまったというのは、その1933年と次に変動率の大きかった1954年。

Q: 資料9ページ(長期に安定した収益成長が長期の優れた投資リターンにつながる)の(安定的に利益成長率の高い企業を当てる)ヒット率は? また、その洗い替え頻度は?
中鉢: (記載されている対S&P500の超過収益である)2.7%と同じくらいなので、半分以上の確率と思われる。1回選んだ企業は平均3年くらい持つ。3割は入れ替わる。つまり5-6銘柄。
中野: 売却するというのは、想定以上に上がる場合も。
中鉢: 5年間収益予想から、株価をだし、早期に達成することもある。また、人間なので、必ず当たるわけではなく、3ケ月、半年、1年と見ている間に、考えていることと違うとして、売却することもある。
中野: 人間がやっているので、間違うこともある。違ったらすぐ売る。
中鉢: それが3割くらい。その5-6銘柄がよく変わるとも言える。逆に長い物は、もっと長く持っている。

Q: 利益相反の排除について、具体的に。
中野: 我々が得するときに、皆さんが存すること。分かりやすいのは、販売手数料。販売手数料についての考え方はいろいろ。セゾンは合理性がないとしている。一生懸命説明したから、ということだけ。また、一物二価みたいなものはしない。すべてのお客様に平等に接する。もう1つ、株主やビジネスパートナーへの利益供与はしない。企業は株主の物となると、株主のためなら・・・となってしまう。これを防衛するのは、フィデューシャリー。それを金科玉条、葵の御紋として守れる。日本郵便社長とも話してある。

Q: 資料11ページ(安定した利益成長を生み出す企業とは?)の低い規制リスクとは?
中鉢: 例えば金融。投資リスクがある。自己資本比率のバーゼルスリーという規制がある。他に、環境リスク。シェールガス関連など。米国は人の住んでいない創元や砂漠で採っている。高圧の水を注入し、環境汚染がある。また、地盤沈下やガスが出ることも。そのため、欧州では不可。米国も今後規制があるかもしれない、など。逆に、食品がよい。

Q: ERISA法について。米国で年金の補償がある。一方日本では、投資するのは先行き不安だから、という程度。この違いは?
中鉢: 米国では確定拠出年金がものすごく盛ん。確定給付よりも多い。日本は確定拠出型は10兆円だが、給付型は150兆となっている。60万円くらいを1年間に拠出し、全部でも1200万円くらい。それは1800万円くらいにしかならない。米国では、400万円までかけられる。無制限と言えるほど。さらに、所得税控除され、複利効果もある。そのため、確定拠出年金でやるのはよい、となっている。だからと言って、金融リテラシーが米国で高いという実感はない。ここにいる皆さんよりは低いと思う。(笑)
中野: 年金の運用会社の選び方が違う。日本の企業年金の選別として多いのは。生保が大企業の大株主になっている。その生保の系列子会社には運用会社がある。系列だから、大株主だから、として選ぶのは、明確なフィデューシャリー違反。
中鉢: 米国だったら、ERISA法違反で逮捕されるのではないか。年金は会社のものではなく、従業員の方々の物。某年金基金は過剰接待で逮捕されている。準公務員としての違反となったが、米国だったら、ERISA法違反。受託者には注意義務がある。企業倫理に違反している。

以上です。