三箇条四箇条につながる正面受
11月27日稽古覚書
正面受に関して、先生により一箇条が一番平易で二箇条の方が難しく、二箇条の方が三箇条より平易な技の解釈をされている場合も有ります。武田時宗氏制定なのでその様な構成と言う考えです。
私はこの考え方や分類と異なります。現在使われている技に対して初伝百十八箇条裏表と称されている限り、この形は初伝で有りその中に巧拙はあえて入れ無いと言う事です。
逆に一箇条に分類されている技でも少し相手に抵抗されたり外されると技をこなす事が困難になります。技の手順を覚え易くする為に便宜的に作られたと解釈しています。初伝の技と久琢磨先師が惟神の武道に掲載された技を見ると見た目のフォルムは似た物が多数です。そこから考えても初伝としての形は時宗氏制定の一箇条から五箇条に含まれて居ます。この中に本来巧拙は有りません。
四箇条の技を初級者が知り得る技術でも敵対者にこなせば効果有ります。また、上級者が一箇条に分類されて居る技の手順でも合気柔術のテクニックで施せば上級者の技になり得ます。
無用な力を使わ無い!自分の力を効率良く出す!相手の力を外す!自分は常に中心線で対抗し、相手の中心線から外す。姿勢を保ち自ら崩れ無い、敵は一人では無い!此方は無傷で敵を倒す術を心掛ける。皮を切らして肉を断つは日本の思想では無い!
基本は後の先、しかし既に敵が動きを見せれば臨戦体制、軽く両手構え得意な脚を引いた自然体で剣を振り上受けを取る!
まず三ヶ条に頻繁に見られる悪手、交差受け自体は正しい!
駄目なのは肘を曲げる、掌を返し過ぎる、螺旋の意味違い!、片足を後ろに引いて下がる受けは全く武道、武術を無視した最悪手、一度でも受け手が力を込めて打ち込みそのまま力を出して切り込めば直ぐに理解出来ます。切り込む時も猪突猛進は本来なら有り得ません、相手が引けば直ぐに見て取れそれ以上ワザと倒れ込んだり体の各部位を無防備では有り得ません。
次の段階は真ん中、中心線がある程度理解されて居る事が前提です。自分の力の出せる高さをしっかりと理解して、得意な高さをまずこなす事。平行線は、臍前、心臓前、喉前、丹田前、眉間前、頭頂前、下丹田、です。臍前か少し下の丹田前は剣を振り込み正面を斬れば会得できていきます、手首を締める事。心臓前は剣を抜き水平に構えた高さ。人により水平構えは喉前が得意な方も居ます。
まえには5点高さ有ります。丹田の醸成が進めば頭頂と体の真ん中真下に力を込めて動けば合気のレベルが高まります。
まずは三箇条から四箇条の正面受けは剣を持つ手を交差し、臍鼻筋胸の中心線を保ち肘曲げずに喉前か眉間前かもう少し上なら肘を伸ばし気味にして、体からの間合は居捕の膝前位の距離が無駄の無い力の出た間合いと成ります。
三箇条は両手を正面内の振りかぶりの位置にて受け止める。振り被りの位置は個人差有るので指導者が見てあげるべき。剣の構える位置は臍前に手を置き肘を体に付けた長期戦、そこし手を持ち上げ小太刀に腕が当たら無い位置、胸の前に構え軽く肘を曲げても良く剣を縦に垂直に持つ、眉間の前で剣を縦に立て早く切り込む構え、剣を眉間の前に構え剣を水平にして相手から剣の長さが見え無い天井が低くても切り出し可能な構え、このどれかが相手の打ち込みをしっかりと受けられる位置、ここで受けなければ本来後は技に繋がら無い!
そこにさばきや腰の切を考慮して動く。その時に滑らさず、合気ポイントを抑え力は出しながら崩す。三箇条で握り持ちして居るのは、レベルとして低過ぎる感が有り現代指導者は失格かと?
ハサミ持ちと小指締め持ちが大東流合気柔術の基礎の基礎、剣を握り持ちする流派以外なら簡単に理解する事。
受け手に協力してもらいながら、受けた位置の中心線と受けた得意な高さを会得するのが早道、小賢しい手順は分類して行けばそんなに多数有りません。
正面受けをして、その後に切り落としの形で小手の合気をかけながら前のめりに崩す。そこから後は多種の変化有り。
その他の感触は稽古にて確認しつつ、受け手の感触を大事にして稽古し指導されながら会得されたい。感触は感じる力の問題で文言は大事ですが全ては表せません。