僕は怒っている。

静かに怒っている。

なぜ水産庁の役人は、沿岸漁業のマグロ漁師たちが苦しめているのか。

なぜ水産庁の役人は、太平洋マグロが激減し、ほかの魚たちも軒並みに減っていくのを黙って見ているのか

水産庁とは、日本の水産資源を豊かにし、日本の漁業を成長させるためにあって、我々はそのために税金を納めているんですよね。

水産庁は、日本の食文化を育み、魚を輸入だけに頼る国にはしない国にしないようにあるんですよね。

その問題をみんなで知り、考えるために、21日日曜日「マグロミーティングvol1」を開催させた。

東京海洋大学の勝川俊雄准教授、すきやばし次郎の小野禎一氏 カンテサンスの岸田周三氏 豊洲市場のマグロ仲卸の藤田浩毅氏、大間マグロ漁師の南芳和氏、大間マグロ荷主の新田 忠明氏、大西洋マグロを扱う臼福本店代表の臼井壮太郎氏、ノンフィクションライターの中原一歩氏、フードジャーナリストの佐々木ひろこ氏を招いて、「マグロの現状と将来」について、語り合った。

太平洋マグロの資源量は過去最低レベルとなっている。

その大きな原因を作っているのは、日本である。

大手水産会社の子会社がやっている境港の巻き網漁は、卵を持ったマグロを狙って大量に採る。

境港で卵を生もうと産卵場に集まってきたマグロを、一網打尽。

実に効率がよろしい。

1日で、大間で採れるマグロの一年分を採っちゃうのである。

で、そんなにとってどうするのかというと、巻き網漁で採れたマグロは、市場に出るものの、身が焼けていることや、卵に養分が取られて美味しくない理由から、二束三文である。

通常ならキロ1万五千円〜3万円、高い時で5万円のマグロが、キロ五百円以下でになってしまうという。

それゆえに行き先は、スーパーや缶詰用、ひどいものは魚の餌として海外に輸出される。

取り尽くすので、5%くらいしか北上できない。

子供を孕んだ親を大量に殺してしまっては、マグロは減る一方である。

こんなことは、小学生でもわかる。

でも水産庁の方々は頭がいいので、「卵を持った親の捕獲と減少は因果関係がない」という。

そして世界から圧力で今年から設けたマグロ漁獲枠は、巻き網漁には緩く、一本釣りや定置網には厳しい枠を設けてしまっている。

マグロ資源存続とマグロ漁業存続を無視した、不公平な漁獲枠がなぜか行われている。

きっと水産庁の人たちは頭がいいから、我々に計り知れぬ壮大なプランがあるのだろう。

で、理由を聞くと

「消費者は、高いマグロよりも安いマグロを求めている」という。

そういうのも仕方ない。

自らの天下り先である、巻き網漁会社の利益を守るためには仕方ない。

あなたたちにとって、定年後の天下り先は死活問題だもんね。

わかるよその気持ち。

でもね。そのおかげで、太平洋マグロは着実に減っていき、一本釣りなど巻き網漁以外の漁師は廃業に追い込まれ、おそらく五年後には、寿司屋の店頭には、近海マグロは並ばなくなる。

いや並ぶこともあるだろう。

赤身の握り、一貫1万円で。

今秘密裏で来年の漁獲枠配分が行われている時期だろう。

あなたたちは日本の食文化を途絶えさせても、漁師が食えなくなっても平気だろうけど、天然の太平洋クロマグロという生物を根絶やしにする権利はないんだよ。

今やらないと手遅れなんだよ。

水産庁の方は頭がいいので、知っている言葉だと思うから、最後に一言、「論語」の言葉を思い出してね、

「過ちて正す。これ即ち過ちなり」。