毎年、この時期にお会いする方がいます。

実母の親友だった方。91歳です。


私の母とは、若い頃からの友達で

以前は、実家にもよく遊びに来てみえました。

母が亡くなってからは、1年に1回ぐらいはと思って、この時期に顔を見せに行っています。


今年も会えました。

家を訪ねた時

杖をついて、外を散歩してみえました。

その姿は、小さくて、本当に歳をとったなぁと。


私が訪ねて来たことを、とても喜んで下さり

玄関先でしばらく話をしました。

誰かと話がしたかったようで

自分の事を次々に話されました。

私は聞き役に回っていました。


『最近、体の調子が良いので

親戚の皆にお別れの挨拶をしてきたのよ。

あなたに会うのも、もう今年が最後。

本当に、よく来てくれたわね。』


一瞬、ドキッ!

実際のところ、毎年電話をかける度

すごく緊張するんです。。

で、聞き覚えのある声にホッ。。


今は、独身の息子さんと

2人暮らしをしていらっしゃいます。

息子さんは私と同世代。

『昔は息子に縁談もあったのに、私が潰してしまった。それを今すごく後悔しているの』

と言ってみえました。


何年か前までは

『息子のために、一日でも長生きしていたい』

と言っておられたのに

だから、ガン切除の手術まで受けられたのに。

今はもう、自分がいなくなった後の事を心配しているのですね。


息子さんを思う気持ちで溢れていました。

親は、ありがたい存在です。


『主人が亡くなって、もう50年も経つのよ。

それから、ずっと息子と2人。

でも、息子と私は相性が良くてね。』

と、嬉しそうでした。


息子さんとは、親子の関係ですが

実際には、ご夫婦の縁のお相手だったのではないかなぁと思いました。


若くしてご主人が亡くなっても

息子さんの縁談が破談になっても

お互いに幸せでしたね。


『ありがとう。

あなたに会えて良かったわ。』


今生の別れ…のような気持ちになりましたが

あたたかいものが残りました。

今年も会えて、本当に良かったです。