ある本に「この世は非合理。非合理の妙味を味わってみましょう」とありました。
これを読んだ時、頭にひらめくものがありました。ずっと昔、まだ娘が保育園に通っていた時のこと。強烈に印象に残っています。
娘の保育園でも、毎月、お誕生会が行われていました。その月生まれの子供だけが壇上に上がり、皆んなにお祝いしてもらえます。
その席には、誕生月の子供のお母さんも招待されます。
お誕生会には、プレゼントが渡されるのですが、プレゼンターは本人が選ぶことになっていました。指名された子にとっては名誉なことで、毎月、誰が指名されるかが楽しみの1つになっていたようです。
娘の誕生会の時、娘はあかねちゃんからプレゼントをもらいたいと言ってました。
ところが、ミカちゃんがどうしてもプレゼントを娘に渡したいとのこと。でも、娘がはっきりしないものだから、ミカちゃんは、そのうち「やらせてくれなかったら、キライになるからね」。
そんな事を毎日のように言ってくるようになったそうです。
その時、私は、自分にしては珍しく、何も言わず傍観することにしたんです。
娘はどうするだろう???
誕生会の日。
同じ月生まれの子供は2人。
娘はミカちゃんを指名しました。
ところが、もう1人の子もミカちゃんを指名したのです。ミカちゃんを取り合って2人がジャンケンし、娘はめでたく(?)負けました。
そして、結局、あかねちゃんからプレゼントをもらうことになりました。
私は、目の前で起きた事の成り行きに、実は1人感動していたんです。
誰も傷つかず、皆が自分の思い通りになった。
こんな素晴らしい結末があるのだろうかって。
こんな成り行きになるなんて…と。
自分がこうしたいと思っても、無理に意思を通せば、絶対どこかに歪みが生じます。
娘は、最後は、ミカちゃんの気持ちを子供心にも受け取めたのかなと思います。
流れに逆らわず、まわりを素直に受け入れていくことが秘訣だと教えてもらったように思いました。
ほんと、理屈ではありませんね。
理屈では考えられないような非合理的な事が起きてくるものなんですね。
これぞ、非合理の妙味‼️
自分にとって、忘れられない出来事です。
