たった今、病院に来ています。
病院は数あれど
なかなか良いと思う病院には出会えません。
でも、ここはいい病院だなぁと思います。
父が亡くなった時もお世話になりました。
先生も看護師も受付の方も
よく話を聞いてくれて
何だかあったかいんですね。
自分の体を診てもらうのに
信頼感がなくては安心できません。
娘が11歳の時、脳内出血を起こし
約1ヶ月半入院しました。
今はこうしてケロッと話せますが
当時の不安は相当なものでした。
でも、不安を感じでいたのは
周りの大人たちだけではなく
意外にも、まだ子供だと思っていた娘が
一番不安を感じていたようです。
それまで、娘の不安を煽るような話は
聞かせないよう、わざわざ病室の外で
話していたのですが
かえって、これが不安を煽ったようです。
簡単な病気でないことは子供にも分かります。
そして、自分はこれから一体何をされるのか
それが怖くてたまらなかったのですね。
夜泣きを繰り返したり
精神的に不安定になってしまいました。
その事を先生に告げた次の日から
対応がガラッと変わりました。
先生は、これまで私に話をしてきましたが
子供の目を見て、子供でも分かる言葉で
話をしてくれるようになりました。
そして、聞きたい事を紙に書くよう促され
娘は、10項目程、質問を書いたでしょうか。
今となっては、何が書いてあったのか
詳しい事は覚えていません。
でも、こんな些細な事を気にしていたのか
と思うほど、子供らしい質問だったように
記憶しています。
一つ覚えているのは
「頭の手術をする時、髪の毛は切るのですか」
という質問。
病棟の患者さんは、男女に関わらず
ほとんど丸坊主でしたから。
先生の回答。
「これは大事な問題だね。
執刀医の先生とよく話し合って決めようね」
たかが子供とバカにせず
子供に対し、真摯に向き合い
子供の気持ちを大事にして下さいました。
これを境に、娘がかなり落ちつきました。
大人に説明するのをインフォームドコンセントというのに対し、子供に説明するのをインフォームドアセントというそうです。
今年、看護師になった娘が教えてくれました。
子供に対するチーム医療も
ちゃんと考えられているのですね。
現代の医療って素晴らしいですね。
そして、手術の日を数日後に控えた頃
夫にある事を頼まれました。
執刀医の先生は、どれくらい手術の経験があって
同じ病気の手術をしたことがあるのか、聞いて欲しいと。
私も同じことを思っていましたが
これを聞くのは、かなり勇気がいります。
心で思いながらも口にはできない事でした。
だから
「こんな事を聞くのは申し訳ありませんが…」
と前置きしてお伺いを立てました。
その時に先生に言われた事も忘れられません。
「申し訳ないなんて思う必要は全くありません よ。それは患者さんなら当然思う事です。僕は、これからは患者が医者を選ぶ時代だと思っています。医者も自分の経験値を全てオープンにすべきです…etc」
そう言って、執刀医の先生のことも
教えて下さいました。
先生に対し、看護師さんに対し
すごく信頼感が持てるようになりました。
医者と患者、ともすれば縦の関係になります。
自分の感覚もそうでした。
でも、対等の関係で接して下さいました。
子供にさえも。
人として尊敬できる、いい医療チームに
出会えたことに感謝しています。
そして、本当にお世話になったなぁと思います。
そのお陰で、
今の娘が、今の平和な幸せがあります。
読んでくださって、ありがとうございました。