このレコードは東芝音楽工業ご自慢のホコリが付きにくいというエバークリーンレコード、通称・赤盤です。
エバークリーンレコードとは御大層なネーミングですけど、材料に帯電防止剤が混入されて赤色に着色されているだけでしょ?黒盤にも帯電防止剤は入っているはずですけど、他との違いをアピールしたくて赤色にしたみたいです。そういう意味では、着色を目的とした通常のカラーレコードとは別物です。たまに中古レコード屋さんで、赤盤を「カラーレコード」と称して販売していることがあります。若い店員さんはご存じないのでしょう。
赤盤は埼玉県川口市の工場で生産され、材料の配合レシピは一人の職人さんしか知らず、その方が退職されて赤盤の生産ができなくなったとか...本当かな?(謎)
うちにある1960年代の東芝音工盤には、いくつか赤盤が混じっています。
秘伝のレシピで配合された材料でプレスされた赤盤、PPMの「パフ(PUFF) / 風に吹かれて(BLOWIN' IN THE WIND)」が今夜のレコードです。
ジャケットの左から、ノエル・ポール・ストゥーキーさん
マリー・アリン・トラヴァースさん
ピーター・ヤーロウさん
ピーター・ポール&マリー、頭文字をとってPPMです。
東芝音工 BR-1487
「パフ」のシングル盤にはB面曲が異なるものが、いくつか存在します。この盤は「風に吹かれて(BLOWIN' IN THE WIND)」です。他にも、B面曲が、
「レモン・トゥリー(LEMON TREE)」
「わが祖国(THIS LAND IS YOUR LAND)」
「可愛いマリー(PRETTY MARY)」
や、4曲入りの7inch盤もあります。
「風に吹かれて(BLOWIN' IN THE WIND)」は、2016年にノーベル文学賞を受賞されたボブ・ディランさんの作品です。
受賞理由は「米国歌謡の伝統の中に新しい詩の表現を創造したこと」だそうです。つまりは、歌詞で文化に貢献してノーベル文学賞を貰ったってことですよね、凄いことだと思います。
「パフ」の歌詞の解釈には色々とあるようですが、単純に読むと『パフという魔法の竜が・・・』、まるで童謡のような歌詞です。この曲が作られた時代の背景からベトナム戦争と絡めて解釈されることもあるようです。「風に吹かれて」の歌詞もベトナム戦争...ノーベル文学賞受賞者の紡ぎ出す詩の世界は意味深です。
「風に吹かれて」は1980年代のTVドラマ「金曜日の妻たちへ」のオープニングに使用されました。「金曜日の妻たちへ」では「風に吹かれて」以外にも、PPMの楽曲が挿入歌として使用されています。
「金曜日の妻たちへ」は、CSで再放送されていたのを観ましたけど、いわゆる不倫ドラマですよね。
マリー・トラヴァースさんは2009年9月16日に72歳で逝去されました。
『パフ』
『風に吹かれて』


