わが人生の歌がたり<昭和の哀歌>(五木寛之)
南北朝鮮で過ごした子ども時代、
敗戦で家を失い、
教師の父は酒に逃げた。
病の母をリヤカーに乗せた逃亡生活、
明日をも知れぬ引揚の恐怖、
ロシア人兵士との闇取引。
激動の少年期を経て筑豊に帰国した少年は、
極貧の中、早稲田大学に入学し、
青春の日々を売血で食いつないだ。
つらい時、かなしい時、常に歌がともにあった。
――私は、歌が、人間の肉声が好きなんです。
命をつないだ魂と涙の昭和歌謡史。
今こそ声をあげて歌いたい。
以上、角川文庫の背表紙の紹介文。