北野武監督の最新作にて、ご自身の原点とこれまでのクリエイティ
ヴネスを融合した作品と言っていいでしょう。それを笑いながら
観られることが、この作品の一番の素晴らしい点です。


龍三と七人の子分たち

それを商業配給という現実のプラットフォームの上に流している
のが、監督自身が出演している刑事役の台詞である「もう、昔
みてえなやくざ、もう居ねえから」のひと言でしょう。

ポスターやパンフレット、公式サイトなどをみる限り、完全なエン
ターテイメント平たく言えばお笑い作品にプロデュースされており、
まるでもう化石になった時代遅れを笑ってストレス解消するかの
ような姿で公開されています。

確かにそれはその通りなのだと思いますが、だからといって額面
通り受け取って笑って流せばいいのかというと、ちょっと複雑な
気分にもなりました。なぜなら、確かにこういう時代を経てきて
現在があり、今は見かけなくなりましたが、忘れてしまっていい
とも思わないからです。

「オレ達古いのかな?」「古くていいじゃねえか!」

という台詞にこそ、脚本を手掛けた監督の意地のようなものを
感じるのは私だけかな?と思いますが、まあ最初は笑って楽しむ
のが素直な鑑賞というものでしょうね。

感謝!