ブローラという名前の蒸留所。お恥ずかしながら知りませんでした。
もう閉鎖されてしまったそうです。1981年蒸留物。熟成年数は
すみません。失念してしまいました。

シェリー樽熟成の中期・長期熟成で、25年前後だったと思います。

brora1981.jpg

素晴らしいのはシェリー樽で、私はふだんシェリー樽仕込みの
ウィスキーを好んで飲みませんが、それでも樽の良さが伝わって
くる充実振りを感じ取ることができました。

シェリー樽仕込みのウィスキーというと、一般に色や香りがよく
出ているかどうか問われることが多いのですが、これはその「量」
ではなくて「質」がよく出ているのです。一見オーク樽の原酒と
ブレンドしたのかと思わせるような複雑な風味をもっており、
干し柿のようでもあり、ドライイチジクのようでもあり、加水
するとクランベリー系の風味も顔を覗かせ、いわゆる只者では
ない風格を黙って現してくる王者のようなウィスキーでした。

製造された蒸留所や、年代、素材等々の諸条件を重ね合わせて
考えると、もうこのようなウィスキーが生まれることは、滅多に
ないだろうと思います。生きている喜びです。

非常に貴重な機会に遭遇したことに感謝します。

感謝!