21世紀の現代で、高崎から蒸気機関車の列車に乗りたい場合に、
上越線と信越線と2つの選択肢から自由に選べるなどというのは、
ほとんど奇跡に近いようなことに違いないと思います。

その奇跡に近いような選択肢のうち、前者の上越線については
普段はC61牽引であることが多く、後者の信越線については
D51牽引であることが多いのですが、列車運転の都合や機関車の
メンテナンスの都合等々によって、上越線にD51が入線する
こともあります。

すると、終点の水上駅に到着後、折り返し復路の上り列車を牽引
すべくターンテーブルで機回しをするわけですが、その旧水上
機関区の跡地でもう一両静態保存されているD51とランデブー
することになります。

その静態保存機がD51 745です。

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蒸気機関車牽引列車に乗って分かることは、客車に乗ってみると
肝心の機関車は見えないことで、終点でターンテーブルに載るイベ
ントがあったとしても、間近に寄って好きなだけ見たり触ったり
することはできません。

また、現役で営業列車を牽引する看板商品だからか、まるで新車
のように綺麗に洗われていて、過度にお化粧を施したようなちょっ
と現実離れした感じすら受けてしまいます。

しかし、こちらは静態でこそあれ、囲いもされず自由に見て触る
ことができるので、実際に現役当時に近い距離感をもっており、
また装備品等の欠品も少なくて、可動部品に触れる等、最高の
静態保存機ではないかと思っています。

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こういう実際に触れる展示こそ、産業遺産保存の王道だと思い
ますので、今後も大切にしていきたいものですね。

感謝!