宮崎駿監督の引退で注目を集めるスタジオ・ジブリの新作夏休み
映画作品を観てきました。感想はとても良かったです。

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以前よりこのブログをお読みいただいている皆さまは、たびたび
同じことを書いて申し訳ないのですが、私は長年に亘ってジブリ
作品が苦手でした。

スタジオ・ジブリは、宮崎駿監督の個人工房だと評されることが
多いですけれども、その宮崎作品は必ずといってもいいほど、エキ
セントリックな化け物が現われて、不気味だというインパクト以上
の印象が残らないこと、一方の高畑監督作品はアニメーションで
表現する理由がはっきり伝わってこない凡庸な内容が多く、要する
にアニメーション制作会社の作品としては、極左と極右に写って
しまって安心して観られない作品が多いという感想でした。

しかし、会社としての前作に当る「かぐや姫の物語」で、アニメー
ション表現として新開地を開いたところから一気に基準が高まり、
本作においては前作の新技術をしっかり消化吸収しつつ、さらに
新しい表現に向かって突き進んだ革新的な表現の作品が作られて
いることに感動すら覚えました。

誤解を恐れずにいえば、これまでジブリの作品はアニメーション
業界のなかでの位置づけや、作品の品質を評価する視点だけで、
語られることが多かったかと感じますが、本作は「映画作品」と
して安心して観ることができたことが最大のエポックメイクだ
と思います。

映画として観たときに、アニメーションでの表現が秀逸だったか
どうかは各自の評価によるのでしょうが、そのポジションで評価
するのが正当な見方だと思います。日本のように歴史の長い国の
人々には、きっと共通して受け入れられる内容だと思いますの
で、ぜひ多くの方に観て頂きたい佳作です。


思い出のマーニー

感謝!