埼玉県川口市といえば、むかしから鋳物で有名です。1964年
の東京オリンピック聖火台も川口の鋳物で作られたそうです。

現在の川口市とくに川口駅周辺は、高層マンションが立ち並ぶ
いわゆるベッドタウンの様相を呈していて、荒川を挟んで南下
すればすぐ東京23区に入れる地の利のよさが人口約56万もの
巨大都市に発展した人気の秘密でしょう。

その川口駅前の広場は、キュポラ広場と名付けられ、川口の歴
史と伝統と技術を今後も末永く伝えようとオブジェが設置され
ていました。ものづくり大好きな私にとっては、とても大切に
感じられましたので、写真を撮影してきました。

公園に向かって建てられているのは、鉄を溶かすその名も公園
につけられたキュポラ(キューポラ)です。

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近くには、構造を解説したプレートが設置されていました。

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「キュポラ(Cupola furnace)

広くキューポラと呼ばれています。
コークスの燃焼熱を利用して鉄を溶かす炉のことです。
耐火物を内張りした筒状の炉体に、コークスをある高さまで積み
(ベッドコークス)、その上に地金(銑鉄、鋼屑、戻り材、古銑)と
コークスとを一定比率で順に装入し、下部の羽口から空気を送って
燃焼させ、その熱によって地金を溶解します。
各地金は炉の中央の溶解帯で溶解され、溶滴となって下部の
高温のベッドコークス層を滴下する間により高温度に加熱されます。
解けた湯(溶解炉で原材料を溶かした物)の温度は、約1500℃
になります。
加熱された溶湯は、最下部の出湯口から連続的に出湯し、前炉
に溜め、必要に応じて取鍋に受け出し、鋳型に流し込まれ製品と
なります。
鋳物工場では、屋根の上にキュポラの巨大な煙突部が見られます。」

つづいて、公園から駅前広場に向かって取鍋を持つ鋳物職人の
像が建っています。この像には「働く歓び」という名前が付け
られています。

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昨今は、勤労が尊ばれなくなる風潮があるように感じますが、
それは社会が高度なシステムとなっているからで、上手くいく
システムを作ったのは人の手だということを忘れてはいけません。

いつも原点を忘れずにいたいものですね。

感謝!