前回の49616がキューロク保存の嚆矢なら、現代キューロク
の嚆矢は49671号機でしょう。

49671.jpg

真岡鉄道の真岡駅前に「SLキューロク館」という、この蒸機の
ための保存展示施設が建設され、保存にあわせて外観レストア
と足まわりの整備が行なわれて、圧縮空気による展示運転が
行なわれるようになりました。

圧縮空気を用いて展示用に短距離を動かすのなら、配管に多少
の痛みがあっても、全体を痛めない程度に数キロPhaの圧縮
空気があればよく、いわゆる錆落し+アルファ程度の整備で
済みます。

また、このような保存方法ならば、仮に機関車が動く状態だと
しても展示物の移動と捉えられますから、鉄道車両の外観が
あっても、法律的には車両ではない取扱いができることになり
ます。

これなら、外観は現役蒸機で、軌道上を動き、保存施設が設置
されて、多くの来訪者を集客できる。メンテナンスの容易性も
含めれば一石五鳥のウルトラ・スキームです。素晴らしい。

もちろん、願わくば若桜鉄道のように復元と動態保存をお願い
したいところですが、それよりもまず全国に散らばる保存が
問題となっている蒸機の、保存状態活性化の理想的な参考事
例と捉えることができますから、静岡のD51を始め(新金谷
で同じことができないか?)、まだ蒸機復活のない四国など
でも、このような活性化展示運転を期待したいところです。

この49671号機については、キューロク館にやってくる
前に保存されていた井頭公園において、案内看板が設置されて
いました。

「49671号蒸気機関車について
日本の蒸気機関車の歴史は、明治5年(1872)に新橋と横
浜間を走ったのがはじまりです。それから100年余、蒸気
機関車が日本の産業、経済並びに文化の発展に果たした役割
は極めて大きいものがあります。
ここに展示した9600型(ママ)蒸気機関車は、国産として
大正2年(1913)に1号機が誕生して以来、14年間に7
70両が製造され、日本の各地を走り回った大正時代の代表
的な蒸気機関車の一つであります。太いボイラー、短い化粧
煙突、低い二つのドームにかたどられた雄姿はキューロクの
相性で多くの人々に親しまれてきました。NHKテレビドラ
マ「旅路」で一躍有名になった9633号機も同じ型式のも
のです。この49671号機は、大正9年(1920)に製造
され昭和51年(1976)までの57年間、北海道の各線を
急行列車や貨物列車を引っ張って256万キロメートルを走
り、務めを果たしたもので、昭和51年12月に栃木県が日
本国有鉄道から貸与を受け、ここに保存のため展示したもの
であります。」

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