先週木曜日の新聞夕刊に、ニューヨーク発として標題の
小さな記事が掲載されました。少し引用すると「米格付け
大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は17日、
ユーロ圏参加国キプロスの信用力が著しく悪化したとして、
すでに投機的水準にある同国の長期信用格付けを3段階
引き下げ、『B』にしたと発表した。」
小さな記事ですが、私には大きな記事のように感じられ
ました。といいますのは、信用格付けにおいて、BBと
Bとでは、将来のデフォルト率に大きな差があるから
です。
ちょっと、こちらをご参照ください↓
http://goo.gl/ZrfFM
このページの下部にある表をみると、BBの5年後
デフォルト率は12.38%ですが、Bでは26.82%と15
ポイント近く数字が上昇しています。10年後のBは、
35.41%の可能性でデフォルトすることになります。
このニュースについて、他社の記事を参照してみると、
キプロス国内の政情不安が考慮されているという情報が
あり、そのためEUからの財政支援の雲行きが怪しく
なっていることが分かります。
キプロス共和国という国は、あまり馴染みがありません
が、トルコ南の地中海上に浮かぶ島国で、ギリシャ系
住民で占められ、言語はギリシャ語、通貨はユーロ、
主な産業は、観光と金融です。
ボリューム面から見ると、GDPはギリシャの2,178億
ユーロ(2011)に比べて、キプロスは200億ユーロ(2011)
ですので、約10分の1です。ギリシャ依存の経済が
透けて見えます。
すると、自然と連想されるのはギリシャと似たような
経済状況ではないのか、という不安ですが、まさに
金融と財政は深刻な状況であり、政府による銀行資本
増強措置や財政再建措置等では対応できなくなっていて、
政府はEUとIMFに支援要請を行っています。
EUやIMFといえば、ギリシャやスペイン危機を連想
しますし、先日国際通貨基金・世界銀行の年次総会が
東京で開催され、各種報道された状況をご存知でしょう。
これらを受けて、各国市場が下落しましたし、スペイン
では地方選挙の結果に注目が集まっていて、緊縮財政を
進める与党の力が弱まることになれば、支援申請と
緊縮財政をセットにした財政再建計画が立ち行かなく
なり、市場が荒れることが容易に予想されてきます。
つまり、各国のGDP比国債発行残高でみれば、
ギリシャの165%がトップで、次にイタリアの120%、
アイルランド108%と続くわけですが、国内の政情不安が
信用に横槍を刺す形となって、同68%のスペインの方が
大きな要素になってしまっているわけです。
これは、市場が必ずしも計数的な答えだけで動いて
いるわけではないという定性的な要素を示しており、
同じ理由でギリシャが震源地になり、キプロスも
その可能性があるというべきでしょう。
ちなみに、日本も150%を超えています。もし今後政情が
不安定になったら、どうなるのでしょう。容易に予想
されることなら想定の範囲内です。
痛い思いをして反省する前に学びたいですね。
※この記事は、メルマガ記事の加筆・修正版であり、ビジ
ネスに関する情報はメルマガを優先して公開しています。
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大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は17日、
ユーロ圏参加国キプロスの信用力が著しく悪化したとして、
すでに投機的水準にある同国の長期信用格付けを3段階
引き下げ、『B』にしたと発表した。」
小さな記事ですが、私には大きな記事のように感じられ
ました。といいますのは、信用格付けにおいて、BBと
Bとでは、将来のデフォルト率に大きな差があるから
です。
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このページの下部にある表をみると、BBの5年後
デフォルト率は12.38%ですが、Bでは26.82%と15
ポイント近く数字が上昇しています。10年後のBは、
35.41%の可能性でデフォルトすることになります。
このニュースについて、他社の記事を参照してみると、
キプロス国内の政情不安が考慮されているという情報が
あり、そのためEUからの財政支援の雲行きが怪しく
なっていることが分かります。
キプロス共和国という国は、あまり馴染みがありません
が、トルコ南の地中海上に浮かぶ島国で、ギリシャ系
住民で占められ、言語はギリシャ語、通貨はユーロ、
主な産業は、観光と金融です。
ボリューム面から見ると、GDPはギリシャの2,178億
ユーロ(2011)に比べて、キプロスは200億ユーロ(2011)
ですので、約10分の1です。ギリシャ依存の経済が
透けて見えます。
すると、自然と連想されるのはギリシャと似たような
経済状況ではないのか、という不安ですが、まさに
金融と財政は深刻な状況であり、政府による銀行資本
増強措置や財政再建措置等では対応できなくなっていて、
政府はEUとIMFに支援要請を行っています。
EUやIMFといえば、ギリシャやスペイン危機を連想
しますし、先日国際通貨基金・世界銀行の年次総会が
東京で開催され、各種報道された状況をご存知でしょう。
これらを受けて、各国市場が下落しましたし、スペイン
では地方選挙の結果に注目が集まっていて、緊縮財政を
進める与党の力が弱まることになれば、支援申請と
緊縮財政をセットにした財政再建計画が立ち行かなく
なり、市場が荒れることが容易に予想されてきます。
つまり、各国のGDP比国債発行残高でみれば、
ギリシャの165%がトップで、次にイタリアの120%、
アイルランド108%と続くわけですが、国内の政情不安が
信用に横槍を刺す形となって、同68%のスペインの方が
大きな要素になってしまっているわけです。
これは、市場が必ずしも計数的な答えだけで動いて
いるわけではないという定性的な要素を示しており、
同じ理由でギリシャが震源地になり、キプロスも
その可能性があるというべきでしょう。
ちなみに、日本も150%を超えています。もし今後政情が
不安定になったら、どうなるのでしょう。容易に予想
されることなら想定の範囲内です。
痛い思いをして反省する前に学びたいですね。
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