江戸東京博物館で開催されている「二条城展」を観てきました。

お恥ずかしながら、有難いことに、日本人の例に漏れず、三大
英傑が活躍した安土・桃山時代が好きです。それは、いわゆる
戦国の世の胎動の躍動感に酔うようなところもありますが、武
家がその時代を通じて昇華させた文化興隆も興味深く、武将の
勢力拡大に比例するように武具や城郭、生活文化が充実進歩して
いく様は注目に値すると思っています。
当時の絵画といえば、もちろん狩野家ということになるわけ
ですが、権力者がパトロンであったために、安土城や大坂城、
聚楽第等々のオリジンは灰に帰してしまって失われており、
当代で唯一拝観できるのが二条城二の丸御殿です。
ですから、中学生の修学旅行のときから二条城は憧れの地で
ありまして、一頭最初の訪問の当時はまだデジカメもあり
ませんでしたので、写るんですを使ってフィルム残枚数を確認
しながら2~3枚残しただけでした。
当時から、大人になったら沢山フィルムを買って再訪し、
好きなだけカメラに収めてやろう、と思っていたのですが、
ようやくデジカメを持って訪れたのはほんの数年前のこと。
改めて訪れてみれば、二の丸御殿は当然の如く撮影禁止でした。
そんな経緯があって、しっかりこの瞼に焼きつけてやろうと思っ
て鴬張りを歩くのですが、見えないのですよ。襖絵が。うっすら
ぼんやりとだけ。
それは、建物が大きすぎ、大広間が広すぎて、かつ襖絵が遠いので
薄暗くて存在を確認する程度しか分からないということがひとつと、
廊下と広間の間を隔てるアクリル板が埃だらけで透明度が著しく
低いためにはっきりと中の様子が分からないということがネック
でした。
前者はともかく、後者はクレームをつけようかとも考えたのですが、
次から次へと修学旅行生が入ってくる場所で、対応を求めるのは
とても非現実的な気がして、いずれにしてもこの眼でしっかり観る
ことは叶わないのかと思っていたものです。
それが、奇跡のように東京で観られるとあって、飛び上がらん
ばかりに嬉しいこと。必ずや本懐を果たさらんと思い、意気鷹揚
に出掛けてきました。
結論としては、こんなに有難く素晴らしい展覧会は一生に一度
だと思います。あの薄暗くぼんやりした襖絵が目の前にあり、
混雑した写真撮影不可の御殿で流れ作業のように観るしかなかっ
た釘隠しの前で立ち尽くすことも許されます。
なにより唐門の欄間彫刻の見事さは白眉といってよく、全国に
散らばっている洛中洛外屏風をこの眼で観ることができる。
出鱈目のようなことを許していただければ、国宝が目の前で
踊っているような躍動感があり、当時の時代にトリップした
ような錯覚すら覚えます。
わがままを申せば、二条城は現在長期修繕中だということです
ので、このまま長期に亘って展示していただき、いつでも気が
向いたときに観られたら、どんなに至福だろうかと思わずには
いられません。
いまは、お腹いっぱいという感じでおりますけれども、もし
体力が回復したら(笑)、会期中にもう一度訪れたいと思って
いるほどです。
感謝!

お恥ずかしながら、有難いことに、日本人の例に漏れず、三大
英傑が活躍した安土・桃山時代が好きです。それは、いわゆる
戦国の世の胎動の躍動感に酔うようなところもありますが、武
家がその時代を通じて昇華させた文化興隆も興味深く、武将の
勢力拡大に比例するように武具や城郭、生活文化が充実進歩して
いく様は注目に値すると思っています。
当時の絵画といえば、もちろん狩野家ということになるわけ
ですが、権力者がパトロンであったために、安土城や大坂城、
聚楽第等々のオリジンは灰に帰してしまって失われており、
当代で唯一拝観できるのが二条城二の丸御殿です。
ですから、中学生の修学旅行のときから二条城は憧れの地で
ありまして、一頭最初の訪問の当時はまだデジカメもあり
ませんでしたので、写るんですを使ってフィルム残枚数を確認
しながら2~3枚残しただけでした。
当時から、大人になったら沢山フィルムを買って再訪し、
好きなだけカメラに収めてやろう、と思っていたのですが、
ようやくデジカメを持って訪れたのはほんの数年前のこと。
改めて訪れてみれば、二の丸御殿は当然の如く撮影禁止でした。
そんな経緯があって、しっかりこの瞼に焼きつけてやろうと思っ
て鴬張りを歩くのですが、見えないのですよ。襖絵が。うっすら
ぼんやりとだけ。
それは、建物が大きすぎ、大広間が広すぎて、かつ襖絵が遠いので
薄暗くて存在を確認する程度しか分からないということがひとつと、
廊下と広間の間を隔てるアクリル板が埃だらけで透明度が著しく
低いためにはっきりと中の様子が分からないということがネック
でした。
前者はともかく、後者はクレームをつけようかとも考えたのですが、
次から次へと修学旅行生が入ってくる場所で、対応を求めるのは
とても非現実的な気がして、いずれにしてもこの眼でしっかり観る
ことは叶わないのかと思っていたものです。
それが、奇跡のように東京で観られるとあって、飛び上がらん
ばかりに嬉しいこと。必ずや本懐を果たさらんと思い、意気鷹揚
に出掛けてきました。
結論としては、こんなに有難く素晴らしい展覧会は一生に一度
だと思います。あの薄暗くぼんやりした襖絵が目の前にあり、
混雑した写真撮影不可の御殿で流れ作業のように観るしかなかっ
た釘隠しの前で立ち尽くすことも許されます。
なにより唐門の欄間彫刻の見事さは白眉といってよく、全国に
散らばっている洛中洛外屏風をこの眼で観ることができる。
出鱈目のようなことを許していただければ、国宝が目の前で
踊っているような躍動感があり、当時の時代にトリップした
ような錯覚すら覚えます。
わがままを申せば、二条城は現在長期修繕中だということです
ので、このまま長期に亘って展示していただき、いつでも気が
向いたときに観られたら、どんなに至福だろうかと思わずには
いられません。
いまは、お腹いっぱいという感じでおりますけれども、もし
体力が回復したら(笑)、会期中にもう一度訪れたいと思って
いるほどです。
感謝!