先週金曜日の首相官邸前の様子です。

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このデモは、ネット上のあちこちで情報が流通していて知って
いたのですが、マスコミではほとんど報道されないため、実際の
ところはどうなのかと思って、現場に出掛けてきました。

数少ないマスコミ報道をみると、「反原発デモ」という単語に
集約されていますが、現地ではもっと多様・複雑な様子です。

例えば、官邸前にいる人たちは「(大飯原発)再稼動反対!」と
叫んでいます。

少し離れると、「子どもたちを守ろう!」と言っている人々が
います。

太鼓をたたいている人や、念仏を唱えているかのような人も
います。

一本となりの交差点では、こういった団体行動に習熟している
と思われる方々が拡声器でスローガンを叫び、近くにいるお仲
間の方々は、集まってくる人々の交通整理をしています。

はたまた霞ヶ関の官庁街に近い方では、同一系統宗派内で低評
価を流布するような新聞を配って「原発根絶」と言っている人
達もいました。

地下鉄の車両内で「今日は官邸前でデモがあります。原発反対
の人も賛成の人も参加して下さい。一緒に話し合いましょう」
と、よく通る声で話す人がいました。

国会議事堂や首相官邸に近い周辺の地下鉄駅では、出入口に
警察官が立って「デモにご参加の方はこちらです」と交通整理
しています。

これらが私がみた事実です。

マスコミ報道はごく一部だけを取り上げていることがよく分かり
ます。

一方で、主催者側は十数万人が参加したと発表し、警察は数万
人と発表しているようですけれども、これは現地での実感から
は警察発表の数字の方が近いと思います。

しかしながら、事実とその大きさがストレートに報道されて
いないという実感があります。

新聞・雑誌・テレビ・ラジオ等々の既存マスメディアの取扱いは
驚くほど小さいと感じます。現場はもっと大きくなっています。

このギャップというのは、何か原因があるのでしょうか?

「原発とデモ」というテーマは、おそらく政治のカテゴリの問題
として取り扱われるのでしょう。だからデリケートだということ
は考えられます。

同じ理由でいうなら、私も自分の考えを表明しておかなければ
アンフェアということになるでしょう。

私は、原発廃止論者です。理由は、

・事故時の人体への影響と環境汚染が極めて深刻なこと、
・使用済み燃料の処理方法が根源的に確立できないこと、
・一ヶ所の原発事故で運営電力会社が債務超過に陥るため、
低コストという理由が成立しないこと、

ただし、今すぐ全てを廃止廃棄することが難しいことも理解して
いるつもりです。だからといって震災前の状況に戻すこともあっ
てはならないと思います。再生可能なクリーンエネルギーを成長
産業に育てることでしょう。これはもはや全世界のコンセンサス
になっていると思います。ではそのバランスはどこにするのか、
これは政治家がリーダーシップをとって明確に発言することでは
ないでしょうか。

意見につけ加えていえば「このデモは続く」と感じました。

感謝!