「クリスチャン・ディオールが死んで、後釜は21才のイヴ・
サン・ローランが就任するんだって。」

「イヴ・サン・ローランが、トラベラーズ・ラインを発表しま
した。」

なんとなしにNHKを流していると、連続テレビ小説のなかで
これまでこんな場面が時折ありました。ドラマとはいえ事実上
のノン・フィクションで、時代背景の解説だから「有り」なの
だろうと思いました。

しかし、それまでのものはドラマの台詞やナレーション風の音
声によるものだったのに比べ、先日のものは画面を独占したカッ
トでしたので、その重要度は比較になりません。

「2002年の1月、モードの帝王と呼ばれたイヴ・サン・ロー
ランが引退を発表しました。」

この瞬間に、このドラマの製作者の意図が強く伝わったと思い
ます。モードへのオマージュです。

イヴの引退は、その数年前からの体調不良等により、ささやか
れていたとはいえ、やはり強烈なインパクトのある激震とも言
える出来事でした。あれからもう10年が経ってしまいました。

その10年の間に、見ず知らずの幻の世界だったパリやマラケ
シュを訪れることができ、もちろんマルソー通りやジャルダン・
マジョレイルに触れることができ、その場所の空気を吸収する
ことが出来たことは至福なことでした。

一方でブランドをみると、その後グロスホワイトのベースにグ
ロスブラックで描かれるロゴは、正しくはグロスブラックの
ベースにマットゴールドで描かれるものだとも感じました。

ロゴは単にロゴにあらず。

これ以上は止めて置きましょう。


logotall.jpg


感謝!