東日本大震災から4週経ちまして、今年も桜が開花しました。

染井吉野2011

自然は業ですから染井吉野が咲くのは当たり前ですが、今年眺める
桜はどこか悲しさの色が濃いように感じます。

喜びも怒りも哀しさも楽しさも、そのように映るのは看ている人間
の感情が理由であり、地震が起きるのも桜が咲くのも自然の営みで
しかないのは諸行無常です。

何年か前の4月3週目に、オヤジのように慕う人と「あと何回この
時期に見られるのでしょうか」と話したことがあり、そのこの時期
とは地球温暖化で開花が早くなるというテーマだったのですが、そ
の後その人が鬼籍に入ってしまうと、あと何回見られるのかという
テーマがより強くなってしまいました。

今年は花見を自粛しようという報道や風潮がありますけれども、酔っ
払ってドンチャン騒ぎやバカ騒ぎさえしなければよく、こういうと
きだからこそ毎年変わらずに咲く桜を看て、木々に集まる鳥の囀りを
しっかり聞き、普遍の自然の業のなかに生きることを確かめること
が大切だと思います。

地震が起こったから政府のせいだ、原発が事故になったから東電の
せいだ、農産物や海産物が出荷できないから政府に補償せよ、とい
うのは本当の原因をしっかり直視せず、いま自分が困っているから
お前が助けるのが当たり前だ、という他人本位の自己志向です。

1000年に一度の天災なのに、わずか一ヶ月で復興が始まってい
るのは世界一のことで、被害に遭われた方を気遣い一日をも早い再
興を願うのならば、必要以上の気遣いと自粛で全体が萎縮するので
はなく、周囲の我々は坦々といつもの生活をし新しい社会のフレー
ムワーク作りに参画することこそが求められていることです。

人生最後の日は明後日です。あと何回桜が観られるのだろうか。

感謝!