日本の青と違うのは群青、すなわちウルトラマリン起源ではなく、
ラピスラズリ起源だからです。いわゆるヨーロッパの青。

現代の日本でよく見る青は、やはり藍染の紺に由来する色のよう
に思います。濃くなればなるほど赤くなる色。

こちらは、アズーリの水色からどんどん濃くなっても赤くならず、
むしろ蒼くなる色。水の色ではなく空の色ですね。

乾いた土地の乾いた空気が紡ぎ出すブルーは重ねれば重ねるほど
シャープになり、だから着るものがイタものばかりになってしま
う最大の理由です。

オヴィエッセ・ブルー

ただの紙袋だし、紙の上に印刷された青色ですが、周囲のものと
は異質だという強い存在を、アクセントに添えられたこれまた醒
めたオレンジとともに主張しています。

オヴィエッセは、イタリア旅行にお出掛けになる日本人御用達の
スーパーCoin傘下のアパレル部門で、ここのクラシックライ
ンが気に入っているのですが、ここ数年はスペインのインディテ
クスの影響を受け、青から黒にシティからフォークロアへと、テ
イストを変更してしまいました。

言葉遊びに過ぎませんが、経営は1人称、経済は3人称、ビジネ
スは1人称のはずが3人称に聞こえ、マーケティングは3人称の
はずが1人称に聞こえる。コンペアではなくポテンシャルで行わ
なければならない(アパレルに限らず)商売の難しさが滲んでいま
す。

ところで紙袋のなかに入っているのは、アパレルならぬコンピュー
タ。先日見事退役となった事務所のサーバマシンです。

アパレルとコンピュータという正反対の世界のものが、同じバッ
グのなかで同居しているのが面白く、日本にもこういう文化が育
つと新しい時代になると思います。

感謝!