地震前の雪の日のこと。駅から事務所まで行く途中の西新宿1丁目
交差点で土管に躓いたら、靴の先が割けてしまいました。もちろん
そのまま冷たい水が染みてきてチーンと冷たかったです。

まったくこの安物め、と思っていっそ捨てようとおもったのですが、
事務所では当然捨てられず、帰ってから検めてみると先が2cm程
捲れた状態でした。



このときに捨てられないのだから私って貧乏性ね、というに違いな
いと思いつつ、じつはこの靴、世界一周の途中ニューヨークのリト
ル・イタリーと5thストリートの間あたり(笑)で買った苦労の末
たどり着いた一足だから捨てられないという情緒的な理由もついて
いたりします。

フランス・パリからユーロ・スターでロンドンへ。ロンドンからカ
レドニアン・スリーパーでスコットランドへ。スコットランド・
インヴァネスからオークニー諸島・カークウォールへ。

どうもこのあたりから、3足持ち合わせていた靴のうちの1足がダ
メになってしまい、ロンドンからワシントン経由でニュー・ヨーク
にたどり着いた頃には、毎日靴下に穴が開き足の裏が腫れてしまっ
て歩くのが辛い状態。ニュー・ヨークでの最初の仕事が靴の購入だっ
たのです。

ところがだってニュー・ヨークですから、日本でいう28cmくら
いの大きなサイズばかりで、私が履けるサイズは皆無。ならばリト
ル・イタリーなら在るだろうとウロウロしていて、やっと見つけた
ものだったのです。

slippon-ny.jpg

そういう愛着だか曰くだかがしっかりついた靴だということと、何
故かどういう訳だかこの靴を使う予定(笑)というのも少し先にあっ
たりしたものですから、もう理由は世界一周でもニュー・ヨークで
も貧乏性でも何でもいいから直そう、ということになりました。

靴を直すといっても初めがこういう出所のものなので、もうあれで
すよ、セメダインでミッチリ貼り付けてお仕舞い、というもの。

それはただのセメダインという訳に行かないので、プロなら誰でも
御用達のセメダイン・スーパーの登場です。


セメダイン ハイスーパー5

まずはしっかり靴を丸洗いして乾かし、カリカリに乾いたところで
割けたつま先をもう少し広げて裂け目を大きくします。いえ、壊す
のではなく、”のりしろ”の面積を稼ぐのです。

そうしておいて、今回のビックリドッキリメカであるセメダイン・
スーパー様を「ケチらずかつはみ出さないように、なおかつ粘度が
上がるように延ばしながら」塗ります。この頃合いが難しい(笑)

しっかり塗れたら、今度は密着させるためにクランプで固定します。
これも、一番離れやすいつま先のさらに角を狙って、剥れないよう
な角度を狙いながら固定します。

slippon02.jpg

こうしてこのまま黙って大人しく一週間放置。24時間で完全硬化
ですから、7日間放って置けば大丈夫でしょう。ゆっくりとクラン
プを外して修理完了。

slippon03.jpg

もう少し先の予定まで頑張ってもらいます(笑)。

感謝!