青森県北津軽郡板柳町。青森県の西部津軽地区の中央に位置する
平坦地で人口は16840人(平成12年度)。「典型的な日本海型」と
呼ばれる気候風土を利用して、りんご栽培に熱心に取組んでいる
ところです。

・・・と、ここまで書くと何もない典型的な青森の田舎町をイメー
ジを持たれる方も多いかもしれませんが、板柳町は他所とは随分
違います。

何が違うかというと「本気度」が違います。

その一端を外国で見つけました。

先立て、このブログでも香港駅と証券取引所の様子をご紹介しま
したけれども、これらが入るIFCモールという巨大ショッピン
グセンターの正面入口にある高級食料品スーパーの正面入口(!)
で、板柳町産のリンゴと100%フレッシュジュースが販売され
ていました。

板柳町りんごジュース

香港で販売される板柳町産のりんごは、なんと1個約600円。
100%フレッシュジュースの方は約550円(1リットル)。

日本でもあまり見掛けることのないくらい立派な大きさのもので
したが、それにしてもリンゴ1個600円は、私は手が出ません
でした(笑)。

それでも香港の中心地にあるスーパーの入口で行われている「青
森&陸奥フェアー」の目玉商品のポジションで、”日本青森天然
果汁”と紹介されており、しばらく眺めていましたら当地の人々
が関心を持って手にとっていました。

私事で恐縮ですが、私は毎朝の朝食を果物だけにしていますので、
外国に出掛けていってもスーパーに買い物に行って果物を買って
過ごしています。

その経験から言っても、日本の果物は(一般的に柑橘系を例外とし
て)世界一美味しいです。

葡萄をイメージしていただけると分かりやすいのですが、外国の
ぶどうはワインにされることからみても分かるとおり、果物とし
てはあまり甘味が強いものではなく、そのまま生食して美味しい
のは日本のブドウが一番です。

同じことはイチゴや梨などにも当てはまり、日本の果物は外国産
のものに比べ甘味が強く水分量も多いことから、アメリカやヨー
ロッパ産の安い果物よりも、価格は高くても高い評価を得ていて
人気があります。

これに対応して、昨今では新潟のイチゴや鳥取の二十世紀梨、山
梨の葡萄などを輸出する動きが活発になっています。

板柳町のリンゴも、こうした大きな流れに上手く乗っているよう
です。

私が板柳町のリンゴを知ったのは、かれこれ10年くらい前のこ
とで、百貨店の伊勢丹で開かれていた「青森フェア」ででした。

当時は、リンゴの生産農家の方が販売にいらしていて、ご自身が
作ったリンゴを熱心に説明して試飲させ、ジュースの販売をして
らっしゃったと記憶しています。

試飲すると飛び上がるほど美味しくて、私も1本購入して大切に
飲んだ憶えがあります。

あれから10年程が経過して、外国の一等地で一級のプライスを
掲げて販売されているのをみると、なんだか誇らしい気持ちにな
りました。

おそらくは、当時のこうした地道な取組みがチャンスを掴むきっ
かけに繋がったのではないかと思料します。

日本人は勤勉が特徴と云われますけれども、だからといって良い
ものを「作るだけ」では不十分。「売ること」も作ることと同じ
くらい大切で、それら「複数の努力を重ねた結果」が成功を掴ん
だ、ということが言える好例なのではないかな、と思っています。


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