フランスから英国に行くには、従来からの海路と空路に加えて現在
は鉄路もあって、とても便利です。

なかでも鉄道での国境越えは、パリ-ロンドン間が2時間15分と
最も速くて快適です。日本人の感覚だと現代の島国の住民だからか
どうしても空路をイメージしてしまいますが、パリ/シャルル・ド・
ゴール、ロンドン/ヒースローともに大きな空港ですから、空港ま
でのアクセス、空港内の搭乗手続、空港から市内までのアクセスを
考えると、空路は半日使ってしまいます。それに比べたらユーロス
ターの登場は、当地では革新的な出来事であったであろうことが容
易に想像できますね。

さて、そのユーロスターのフランス側の玄関はパリ・北駅。

ユーロスター

極西の島国は「我が国はヨーロッパではない」とかでシェンゲン協
定に未加入のため、ユーロスターは出発地にボーダー・コントロー
ルがあります。すなわち北行はパリに、南行はロンドンに夫々の入
国管理官が出張して、パスポートチェックがありました。

ユーロスター

ユーロスターという列車を象徴するのが、ビジネスプレミアなるク
ラス。航空機のビジネスクラスと同様に、セミ・アッパークラスが
設定されて、クイック・チェックインなどのサービスが受けられる
ようになっています。

チェックインを終えると、待合室はさながら国際空港の出発ロビー
で免税店がずらり並び、階下のプラットフォームでは列車が出発準
備を整えています。

ユーロスター

ユーロスター

ユーロスターは鉄道ですがオペレーションはまるで国際線の航空機
のようで、出発時刻の10分前にゲートがオープンし列車に乗り込
みます。

ユーロスター

定刻に音もなく走り出すと専用軌道を快速で飛ばします。乗り心地
は専用の高速線が効いており、ほとんど揺れることもなく走行音も
静か、加えて風切音が抑えられている点が快適性に大きく影響して
います。

風に関する音でいうと、冷房の冷気が吹出す音もほとんど聞こえな
いレベルに抑えられていて静か。対向車両からの気圧の揺れもなく、
この点は日本の新幹線も頑張ってもらいたいところです。

ユーロスター

快適すぎて少々退屈してきてしまうころ、列車はノルマンディの大
地を駆け抜けるようになってきます。とても美しい緑の原野を眺め
てうっとりしていると、食事が運ばれてきました。

ユーロスター

ユーロスターで1等に乗車すると、昼食時と夕食時には食事のサー
ビスがあります。飲み物も聞いてくれるので赤ワインを頼みました
らボルドーが出てきていい感じ(笑)。豆腐とワインは旅をさせるな、
の言葉どおり味わいが生きていて美味しくいただきました♪ヨーロッ
パでワインを飲むと、さほど高価なものでなくても十分に味が立っ
ていて美味しいです。

こういうホスピタリティ溢れるサービスは旅行の醍醐味ですね。

美味しい食事を楽しんでいると、何もかもが当然のようにドーバー
海峡のトンネルに突入。あら、ここが海の下かしら、なんて思って
いたら、ロンドンはもう目前。

ユーロスター

旅というには少々短すぎるようにも思えますが、食事つきのジェッ
トコースターに乗ったと思えば、ヨットで湖にでも浮かんでいるよ
うな時間でした。

カレー海峡を渡って英国上陸するのには、最も快適な方法ではない
かと思います。おすすめです!

感謝!