このブログをはじめ、種々のメディアでは、経済と社会お
よび個別の政策を除いて、政治に関して書いたりしないこ
とにしています。

ただ、今回の衆議院選挙では与党が交代することになった
のに加え、本格的な二大政党時代に環境が変化したであろ
うことを踏まえて、例外的に少しだけ書こうと思います。

まあ、たまには真面目なことも、という訳です(笑)。


さて、今回の政界の大変動に際して、国会議員の方々にま
ず最初に取組んでいただきたいことをお願いします。

それは、「正しい日本語を話してもらいたい」ということ
です。

かねてより、とくにTVに出演される議員の方々が「~さ
せていただく」という謙譲語を乱発し、挙句の果てには尊
敬語+謙譲語のような、明らかに間違った日本語を話され
る場面に気分を害してきました。

経営学的にみたときには、議員にとって国民は投票してく
れる顧客になりますから、丁寧な言葉で下出になる気持ち
は分からなくもありません。

しかしながら、表では「~させていただく」と発しながら、
その実は民主主義のマス・ゲームに興じ、反対の立場を取
る者の足を引っ張るようなスキャンダル合戦を展開される
というのは、もはや政治の名に値しないことではないでしょ
うか。

先日の選挙は、私が世界一周に出掛けている間に解散され
選挙戦が行われていたので、その経緯は日本にいる時ほど
詳細には分かりませんでしたけれども、帰国して選挙キャ
ンペーンをみたときには、民主党、自民党ともにコンサル
タントを雇用してクリエイティブを制作していることに気
づきました。

それはそうですよね。何しろ同業ですから(笑)。

さて、本当の問題点は、表面からは見えない「その奥」に
あると思うのです。

選挙で戦うときに戦う相手の主張を分析して、相手が言え
ない、書けないことを訴えるのが戦略の王道ですから、今
回の選挙戦でも各党の主張は王道に則ったものになってい
たのが観て取れました。

しかし、いくら主張が王道に則った正々堂々とした正論で
あっても、選挙期間中以外の3年間は冒頭のような言行不
一致を行っていたら、顧客である有権者は常日頃から裏切
られた気持ちになっている訳ですから、いくら誰が正論を
訴えても狼少年を見せられ、聞かせられている環境を作っ
ていることになります。

その状態で支持を訴えても、応えてもらえないのは明らか
ですね。

よく言われる「有権者が見透かしている」とはそういうこ
とではないでしょうか。

それに国会議員が気づかない。それはそれだけ議員が自己
の利益に夢中になって保身を図っている。そういう議員は
議員の資格がない、という評価でしょう。

政治不信とは、機能しない政治そのものに対する不信であ
るとともに、機能させる能力が不十分、またはない議員に
対する不信という要素を併せ持った、二重構造の不信だと
思います。

そこから信頼を回復したいのならば、まず最初は言行一致
から始めること。正しい日本語を使うことが基本ではない
かと思うのです。

家族や親戚、友人、知人、地域、国、地球を想って、政治
家を志した方々ならば、理想と足元との間に一本の筋が通っ
ているはずですから、どうか日々の言葉から正していって
いただきたいとお願いします。

#マスコミの皆さまも。

感謝!