また、一週間ほど
入院することになって
乃南アサさんの文庫本用意してこねば
となって
ブックオフで買い求めてきたのは
「涙」と言う作品

音道は出てこないけど
もう
乃南アサさんのなら
なんでも良いや
と思って買ってきた

刑事の話
その刑事、マサルと婚約したトウコ
式直前に
マサルの相棒ニラヤマの娘
ノブコが暴行されて
殺された
現場の遺留品から
マサルの定期券が発見され
マサルの行く方も
分からない

当然マサルに
殺人の疑いがかかる
相棒のニラヤマはトウコに向かって
報復宣言をした

結婚式は中止
両親はトウコを気遣い
周囲も慰め
早く忘れた方が良いと言うが
トウコには
マサルが犯人だとは
とても信じられない

ある時、ニューステレビで
マサルに似た男を見つけ
マサルを探しに出る
川崎のドヤ街

しかし
タッチの差で
すれ違い

あとは
何度も何度も追いかけて
追い詰めるところまで
行きながら
結局探し出すことができなかった

警察も
真犯人が他にあることを知って
マサルの行方は
二の次になったまま

だが
トウコには
事件解決よりも大事なことが
どうしても知らなければ
ならないことがあった

何の手がかりも失って
自分さえも
見失いそうになっていたとき
大学時代の友人から
大阪で仕事をしているから
手伝って欲しいと
言われて
出向いた大阪のまちで
偶然出会った
昔馴染みの娘、ヨウコ

そこから
マサルのが沖縄に
移り住んだ事を知らさせる

宮古島を
足を棒にして探し続け
やっと見つけた
マサルに出会えたのは
記録的な暴風雨を伴った
台風オラが直撃した夜だった

乃南アサさんの
物語は
奇想天外な顛末が
あるにはあるが
それがメインでは無い

どうにもならない
道を生きる
人たちへの
憐れみと慈しみが
淡々と綴られていく

そうだよなぁ
たしになぁ
って
声に出すほどじゃないけど
各所にそう
感じてしまうところがあって
まるで
別の現実世界を
見せられているような気にさえなる

ありがとうございます