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Awareness

「気づき」がすべて。

Be here now.

「今、ここに」を日々是実践。

鬱々と茂る草木の中に入り込むと、湿気った空気が腐葉土の匂いを運んできた。長い年月使われていなかった、上り下り用の穿たれた穴は、下に行くほど苔むしているようだった。一つ幅30センチ、高さ15センチ、奥行き20センチほどの、やや下向きに掘られた岩穴に手足を入れるのには、ちょっと勇気がいった。縦横無尽に幾重にも張り巡らされたクモの巣はまだいい。その奥に潜むだろう節足動物のことを想像すると、それだけで身震いした。心持ち浅く入れた手が汗ですべることがよくあった。

この岩は当初想像した以上に深く巨大で、幅広の葉で周囲を取り囲まれた中では、下がどれだけ続いているのか自分の位置からは皆目見当もつかなかった。上下に二人並んで降りていったが、すぐ近くにいる相手の存在すら、手足の動きをとめて耳を澄まさないと分からないほどだった。以前の穴から出られなくなったときの恐怖の記憶が徐々に頭をもたげてきた。そのうち、手足が震えてきた。弱まる精神力の唯一の助けが、時折かけてくる元永の声だった。

そんな調子で、僕たち二人はどんどん岩穴を伝わって下へ下へと降りていった。