Awareness

Awareness

「気づき」がすべて。

Be here now.

「今、ここに」を日々是実践。

Amebaでブログを始めよう!
恐る恐る15分ほど手足を交互に出し入れ出し入れしながら降りていくと、やっと足下の視界が開けてきた。5メートルほど下に草が生い茂った地面が見えた。先に降り始めた自分は人心地ついて、上にいる元永にそのことを伝えると、元永は、
「もういい加減、限界が来てたよ。」
と元気よく答えてきた。

僕は地面まであと一歩のところまで降りてきて、ふとおかしなことに気づいた。僕の足下には草が茂っていたが、それは降りてくる途中に僕たちの視界を遮ったものと同じ種類の草だった。しかし、周辺の草は見渡す限り、すべて細長く微風にもなびくようなものばかりだった。僕は、両手と片足をしっかりと穴に掛けて、体重を残しながら、もう片方の足を、幅広の草の中に入れてみた。

ない。地面がないのだ。浮かした片足で弧を描くようにかき回してみると、どうやらさらに下の方へと空洞が続いているらしい。そして、幅広の草は、その空洞の入り口を覆うようにして岩の間から伸びていた。恐らく途中僕たちの視界を遮蔽した幅広の草も岩から生えていたにちがいない。僕はその空洞に落ち込まないように、脇に飛び降りた。地面に着くや、萎えた膝が体重を支えきれなくて、思わず尻餅をついてしまった。そのまま僕は元永に向かって、
「足下に飛び降りると危険だ。何にもないぞ。丸い葉っぱのないところに飛び降りろ。」
と注意した。間もなく、元永も、尻餅をつくために飛び降りてきた。その姿があまりにも滑稽だったので、自分のことを棚に上げて、僕は、つい吹き出してしまった。元永も危険が去ってほっとしたのか、笑いの連鎖で、失笑した。そのまま二人は何がおかしいのか、その場で笑い転げてしまった。