散歩の途中、ふと見上げた近所のノムラモミジがすっかり色づいていました。夏のあいだは濃い緑の葉を広げていたのに、いつのまにか赤みを増し、夕陽に照らされてほのかに光っていました。


その深い赤は派手すぎず、どこか落ち着いた気品を感じさせます。風が吹くと、枝先の葉がさらさらと揺れて、まるで静かな炎のよう。思わず足を止めて、しばらく眺めてしまいました。


この時期のノムラモミジは、日によって微妙に色が変わるのも魅力です。


朝は少し紫がかり、昼には鮮やかに、夕方には黒みを帯びた紅へと表情を変えます。季節の移ろいをこんなにもはっきり感じられるのは、身近な自然のおかげですね。


毎日の通り道でも、この色づきひとつで気分がふわりと明るくなります。もうすぐ本格的な紅葉の季節。ノムラモミジがどんな深い色を見せてくれるのか、これからが楽しみです。