ゴールデンウィーク前半の昼下がり、
その二人は現れました。

わたくしがときどき使う席は、
バスの出札口を訪れるお客様からは、
このような感じに見えるのです。

執務中のわたくし(イメージです)▲

出札口では、駅までのバスの時刻をおたずねになり、
二人声を合わせて「ふ~ん。けっこうあるんですね。」
と、静かにうなずかれました。

「切符は、今かっていったほうがいいでしょうか…」
とのおたずねに出札の者が、
「切符はいつでも使えますからどうぞ… おひとり330円です」
とお答えすると、二人そろって、ごそごそ小銭入れを物色されました。

なんだか、近頃、
「俺払っておくよ…」とか「払っといてもらえる?」などと言いつつ、
小銭をばらばらに払うのを、心持ちかっこ悪いと
思っていたんじゃないかという疑念が
わたくし自身に向かって沸いてきたのです。

おそらく、19か、はたちくらいだろうと思われるそのお二人に
心洗われた気分になってしまいましたので、
ストーカーまがいにお断りなしに後ろ姿を撮影させていただきました。

あとで聞けば、日帰り旅とのこと。

ずっと時間が経ったあとにも、
登別温泉がよき思い出であってほしいと祈ります。オニ。